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44. ページ44

-ANGE side-


母「…A、お墓参り、行く?」

久しぶりの実家に着いて一息ついていた所、母がそう言ったので顔を上げる。


母「別に無理にとは言わないけど…久しぶりにこっちに帰って来たんだし。Aが来たらきっと喜ぶよ」

AG「…そうだね」

母「試験終わったら一緒に行こう」

AG「…うん」

母の言葉に取り敢えず頷いてしまったが、それによってまたあの夢を思い出してしまった。


6年前。

小学6年生の頃。

目の前で起こったことを受け入れるには、あまりにも幼すぎた。


5歳年上の従姉妹のお姉さんが、トラックに跳ねられた。

しかも、自ら飛び出して行ったのだ。


当時近所に住んでいた彼女は、男兄弟しかいない私の遊び相手になってくれた。

そんな彼女の苦しみに、私は気づけなかった。

目の前で別れを告げて飛び出して行く彼女を、ただ言葉で止めようとすることしか出来なかった。


その過去が、私の心をずっと縛り付けていた。

私のせいではないと全ての人は言ったけれど、彼女の苦しみに気づけたのではないか、あの時に彼女を止める方法があったのではないかと考える度に、当時の幼い心は傷ついていた。

その頃から、あの夢を見るようになったのだ。


それからは他人とわざわざ関わろうとすることも無くなり、中学生時代は正直、あまり楽しいものとは言えなかった。

だからこそ韓国に行く時も、仲間との別れの惜しみなども無くすんなりと旅立つことが出来た。


韓国に渡ってからは、優しいメンバーのお陰で暗い過去から少しだけ解放され、あの夢を見ることも無くなったと思っていたが、再度見るようになってしまった今、またその過去に縛り付けられていたのだ。


AG「…あ」

ジミンオッパから送られて来た喧嘩中のテヒョンオッパとシアンオンニの写真を見た瞬間、突然メンバー達が恋しくて堪らなくなった。

いつの間にかメンバー達が私の精神安定剤になっていたのだと気づき苦笑する。


私はまだ、辛い過去を1人で乗り越えられるほど強くはなかった。


.

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(プロフ) - 素敵なお言葉ありがとうございます😭 (1月13日 7時) (レス) id: 01a8b52627 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 思わず、泣いてしまいました。更新、待ってます。 (1月13日 5時) (レス) id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年1月6日 19時

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