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-ANGE side-
あの後、結局日付が変わるまで騒ぎ倒して、メンバーは全員死んだように眠ってしまった。
AG「…ん」
目を覚ますと、まだ朝日は昇り切っていなくて、部屋は薄暗かった。
辺りを見渡してもまだ起きているメンバーは1人もいなかったので、一足先にベッドから出る。
鏡の前に立つと、久しぶりに大量に食べて寝たせいか、顔がパンパンに浮腫んでいた。
AG「…今日も収録か」
言葉に出してみると、少し気分が下がる。
デビューして2日目でこんなに憂鬱なことはあるだろうか。
昨日見たあのボードは、思ったよりも深く私の心を傷つけたようだった。
JM「あれ、A早いじゃん。おはよう」
AG「あ、ジミンオッパ…おはよう」
JM「何、寝起きだから機嫌悪いの?」
AG「オッパ、顔浮腫んでる」
JM「Aだって人のこと言えないくせに〜」
そう言っておりゃーと私の頬を掴んでくるオッパの頬を掴み返す。
JM「昨日のこと、気にしてる?」
AG「…昨日のことって?」
JM「もう、とぼけないでよ。うちの妹は可愛いな〜」
オッパの訳の分からない言葉に首を傾げる。
JM「昨日Aがされたこと、そりゃ酷いと思うよ。だけどさ、それで傷ついたのを俺達に隠そうとしてたのがもう可愛くて仕方ないんだよ」
オッパの予想外の言葉に拍子抜けした。
JM「俺達の妹はちゃんと俺達が守ってあげないといけないんだなって」
AG「何言ってるのオッパ…」
JM「んー?だから、Aに何かあったら俺達が守ってあげるってこと。もちろんジョングクもね」
そう言って私の顔を両手で包んで笑うオッパの顔を見たら、勝手に涙が出てきた。
JM「あーA、また泣いてるの?可愛い〜」
AG「違う、オッパがそんなこと言うから…」
JM「Aは防弾1泣き虫だね」
AG「…そんなことない」
JM「ふふ、良いんだよAはそのままで。昨日は気づかなくて悪かったけど…これからはAの周辺のことは全部把握するから」
AG「怖いよそれは」
JM「やー!オッパの優しさが分からないのか?お?」
思いもよらない人物のさり気ない優しさのお陰で、突然霧が晴れたように心が軽くなった。
昨日みたいなことがこれからもきっと幾度となくあるのだろうけれど、その度にメンバーが守ってくれると思ったら、深く考え続けるのも馬鹿ばかしくなった。
オッパと顔を見合わせて笑った。
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も(プロフ) - 素敵なお言葉ありがとうございます😭 (1月13日 7時) (レス) id: 01a8b52627 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 思わず、泣いてしまいました。更新、待ってます。 (1月13日 5時) (レス) id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も | 作成日時:2024年1月6日 19時