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-SIAN side-
TH「ヒョン、あのボードって何?」
JH「…A、いい?」
ホソクのその言葉にAが小さく頷いた。
JH「今日の客席の中に、日本人を差別するようなボードがあったんだよ」
TH「はあ?」
普段からAと仲の良いテヒョンは、ホソクの言葉を聞いて憤慨した。
SG「…本当にそれのせいなのか、A?」
ユンギオッパが尋ねると、ようやくAが渋々口を開いた。
AG「…この苦しみって、この中では私しか分からないと思うんです。ずっと皆んなが、羨ましかった。私は日本から来たから言葉の壁もあるし、差別だって受けることもある。今までは、皆んなが私に対して優しく接してくれてたから感じることが少なかっただけだったんです。だけどこの前、私が公開されてから、沢山の批判の言葉を目にしました。その瞬間、私がこの状況でどれだけ甘えて生きてきたか実感したんです。人前に出るってことはある程度我慢しなきゃいけないこともあるって分かってはいたつもりだったんですけど、全然分かってませんでした」
思ったよりも淡々と話すAに、誰も口を挟むことが出来ずにただ黙って聞いていることしか出来なかった。
AG「…今日はご心配おかけしてすみませんでした」
SA「A…」
AG「せっかくのデビューの日にこんな雰囲気にしちゃって申し訳ないです。これからは私も切り替えて頑張るので、よろしくお願いします」
そう言って笑ったAに、もう誰も突っ込まなかった。
Aのことは気掛かりだったが、今あまりに深入りしすぎると逆にAの負担になるのではないかと思った。
その後は結局皆んな楽しくなってしまって、普通に食事を楽しんだ。
Aもその時は楽しそうにしていたので、取り敢えず胸を撫で下ろした。
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も(プロフ) - 素敵なお言葉ありがとうございます😭 (1月13日 7時) (レス) id: 01a8b52627 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 思わず、泣いてしまいました。更新、待ってます。 (1月13日 5時) (レス) id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も | 作成日時:2024年1月6日 19時