Code Blue *01 (ページ10)

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「つっかれた〜」

夜の病院で、人気のないベンチに座ったAは空を仰ぐ。

「おつかれ」

藍沢が缶コーヒーをAに差し出して、隣にそっと座った。

「今日はありがとう。ゆうと君も助けられたし」
「いや。」

今日初めてかもしれない静かな時間が2人の間にながれる。
Aは七夕祭りでのことを思い返していた。

"A先生！"
"藍沢！よかった。急いでみてくれる？"
"はい"
”救出まで持ちそう？”
"厳しいですね。ここで穿頭します。"
"わかった"

藍沢をみた瞬間、自分の胸が熱くなった。
ゆうと君の救うという途絶えかけていた光が、また輝き出したのを感じたのだ。

「耕作さ〜...生意気だよね」

Aの呟きに藍沢は眉間に皺を寄せて彼女の方に振り向く。

「フェローとして入ってきた9年前は、知識もあって、技術もある、けど救命としてはまだまだで。
　でも、名医になるってギラギラしていて。そんな所がすっごい生意気だな〜なんて思ってたけど..」
「.....」

藍沢はAの話を静かに聞いているが、その眉間の皺はますます深くなっていく。

「でも、今日...耕作が現場着いた瞬間、私本当にホッとしたんだよね〜。
　ああ、これでゆうと君を助けられるって。耕作が来たからもう大丈夫だって...
　いつの間にそんな頼れる存在になったんだか....ほんと生意気」

そう言ってAは藍沢に笑顔をむけた。
藍沢は一瞬照れた様に視線を逸らしたが、片手でAの肩を抱き寄せた。

「....俺はいつだって必死だ。どんなに頑張っても、年下で後輩であることは変えられない。
　だから、せめてAに頼られる医者になりたくて...」
「だったら、もうなってるよ。困ったとき、ツライとき、
　助けが欲しいとき、私の頭に浮かぶのはいつも耕作だもの。」

Aもそっと藍沢の胸に頭を預けて両手で抱きしめ返した。

「...A、話があるんだ。」