Code Blue *01 (ページ9)

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白石と一緒に治療に専念するが、少年の容態はなかなか安定しない。
そのうえ、フェロー達までが混乱をはじめて、手が足りていない状態だ。

「これいますぐ脳の方を治療しないとまずい」
「ただ救出にはまだまだかかりそうです。」

緊迫した空気のなか、Aの頭に彼がよぎる。

「...まだいるかも。」
「え？」

Aは急いでポケットから携帯電話を取り出すと目的の脳外科にダイヤルをする。

「A先生、まさか」
「もうこっちに呼ぶしか、この子を助けられない。」

焦っているせいか、コール音がいやにゆっくりに聞こえる。
早く出て！っと思った瞬間、Aの耳に受話器を取る音が響いた。

「はい、脳外科医局です。」
「藍沢！？」
「...A先生？」
「頭部外傷で意識不明の男の子がいるの。白石と治療にあたってるけど、なかなか容態が安定しなくて、救出にも時間がまだかかるみたいで」
「わかりました」
「え？」

つい早口で状況を説明していると、藍沢がそれを遮るように返答する。

「いますぐそっちに向かいます。」
「....ありがとう」

電話が切れた瞬間、Aは大きく息を吐き出した。
いつの間にか自分はすごく焦っていたみたいだ。
彼がこっちに向かうと言った瞬間、一気に肩の力が抜けて安心感に包まれた。
気がつかないうちに自分の中で彼の存在は想像以上に大きい存在になっていた。

「A先生？」

ため息をついたまま喋らないAに白石が不安のそうに伺ってくる。

「あーごめん。藍沢がいますぐこっちに向かうって」
「よかった。」

白石もAと同様にほっとした様だ。

「白石、あんたはフェローの方に行って」
「でも、」
「こっちは大丈夫。正直藍沢が来るまで出来ることは少ないし。
　フェローはあんたが必要なの。それに救急隊員にも指示が必要だしね。」
「....わかりました！ここお願いします！
　冴島さんが手が空いたらこっちに来て貰うように伝えときます」
「ありがとう。」

ああ、この子達は本当に頼れる存在になった。
Aは白石の去って行く後ろ姿を眺めながら、そんなことを思っていた。