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複雑そうな顔をした五条君の手を甘噛みした。そのまま顔にすりっと頭をなすり付ける。猫ならではの行動を猫の姿でやるのは好きだ。開放された気分になる。
五条君はそんな私に顔を赤くしたり青くしたりしながら、なんて論破しようか考えているみたいだった。無駄だろうなぁ、こういうのは気持ちの問題じゃないし。
「ね、五条君」
「なに」
「あご、撫でて」
「…ん」
あ〜猫って何も考えなくていいんだもんね、羨ましい。
五条君、実は少しだけ思うよ。
もし君と私が単なる高校生で、青春謳歌真っ只中なら、きっと私は君の告白を受け入れてたんだろうなって。今は好きじゃないけど、好きになれそうな人って意味で、きっとね。高身長で見た目よし、そんなの誰だって好きだと思うんだ。
ゴロゴロと喉を鳴らしていれば、五条君が話す。
「…先輩、それでも好き」
「盲目だねぇ、何がそんなにいいんだか。まぁ低身長巨乳ロリには勝てないか」
「そ…こだけじゃなくて」
あ、でもそこは好きなのね、と呆れながらも口にはしない。
「…先輩といると、楽しい。知らないこと教えてくれるし、沢山反応してくれるし、可愛いから」
「…それ、私じゃない人も出来るよ」
「だとしても、俺は先輩が好きなんだよ」
きっと、恋愛初心者だから、私みたいな人間に興味があるんだろうな。ちょっと悪い年上の先輩、全人類好きだもんね。
勝手に分析していれば、「あと…」と言い出す五条君。まだあったんかい。
「…さっきから五条家がどうとか言ってくる割には、素の俺と対話してくれるから好き」
「……確かに、そういう女は少ないかもね。君の家柄聞くと萎縮しちゃうから」
「ん。だから、最初っから五条家って分かってても、仲良くしてくれる先輩がいいんだよ」
なんとも熱烈なアプローチだ。顔を真っ赤にしてそんなことを言うもんだから、こっちまで恥ずかしくなってくる。
私はこういう、馬鹿正直な人間に凄く弱い。だから口走った。
「じゃあさ」
「…?」
「お試しで、付き合おうか」
「えっ」
五条君の綺麗な瞳が開いた。サングラスをしていても分かる大きさまで。
「お試しね、お試し。そんで、私が今後も付き合いたくなったら五条君の勝ち。私の気持ちが変わんなかったら、私の勝ちで、一切の関係を絶つ」
「一切の…」
「そ、どうする?やる?」
少しの沈黙の後、五条君はゆっくりと頷いた。
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バンジ(プロフ) - 是非お願いします!楽しみにお待ちしております(*^^*) (10月1日 19時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» また、夢主、五条悟の能力以外にも、変更する場合がございます。それでもよろしければ、ぜひ続編を書かせてください🙇 (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» コメントありがとうございます!夢主の反転術式の有無と、五条悟が他人に反転術式を使えない設定を公式そのままにして、考えてくださった展開を続編に使用してもよろしいでしょうか? (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - という感じでどうでしょうか(笑)長文すみませんm(。>__<。)m (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - に行けば、その分家の娘が五条悟に嫁ぐはずだった。だが、夢主が現れた事で目論みが大きく外れた為、夢主を敵視し大金を積んで伏黒パに依頼していた。それを知った五条がブチ切れ、裏切り者を炙り出す。夢主が静止するも止まらずその分家の家もろとも無下限で押し潰す。 (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年9月20日 17時