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運転手さんは、その後も割とフランクに話してくれた。多分、この場で自死するような人も出るから、それを防ぐためにもそういう対応なんだろう。
「ボスってどんな人なんです?」
「素晴らしい御方ですよ」
「私には、怪しいおじさんにしか見えなかったんですけど」
「それはそれは。我々下っ端にとっては雲の上の存在です」
何者なんだあのおじさん。でも感謝してる。妹が普通の生活を送れるなんて、私じゃできなかったことだから。
髪の毛を弄りながら、理想の生活を思い浮かべた。
妹の様子をちょくちょく見れて、美味しいものいっぱい食べて、オシャレもいっぱいして、仲のいい人達に囲まれて、好きな人の隣にいられる。
カルメンみたいな人間になりたいと言っていた私はどこへ行ったのやら、案外普通の理想を掲げられるらしい。
「もうすぐ着きますよ」
「…随分近いですね」
「それはまぁ、お客様の分家の方でと御要望がありましたから。本家はだいぶ遠いんですけどね」
「へぇ」
運転手さんは慣れた動きで車を停める。まぁ随分と立派なお屋敷だ。あーせめて、すっごく女に甘いおじいさんとか出てきてくれたら良いのに。
運転手さんが、後部座席の私のドアを開ける。するとお屋敷の方から人が出てきて、ペコペコと頭を下げ始めた。
「申し訳ございません。お客様自らお迎えしていただいて…」
なるほど、この人が私を買った人か。なんか思ってたよりずっと若そう。夜でも分かるほど大きい人影だ。
ぼーっとその姿を見ていたら、不意に車の方まで近づいてきた。挨拶をしていないことが不快に思われてるんじゃないかと思い、慌てて降りようとする。
「もっ、申し訳ございません。挨拶が遅れました、
私は……あれ…なんで…?」
ついに幻覚まで見るようになっちゃったか、私。
瞬きをして、もう1回その人を見る。目に映る人は変わらない。
「……なんで、五条君…?」
「よ、先輩」
その人は、見知った笑顔でこちらを見ていた。
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バンジ(プロフ) - 是非お願いします!楽しみにお待ちしております(*^^*) (10月1日 19時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» また、夢主、五条悟の能力以外にも、変更する場合がございます。それでもよろしければ、ぜひ続編を書かせてください🙇 (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» コメントありがとうございます!夢主の反転術式の有無と、五条悟が他人に反転術式を使えない設定を公式そのままにして、考えてくださった展開を続編に使用してもよろしいでしょうか? (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - という感じでどうでしょうか(笑)長文すみませんm(。>__<。)m (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - に行けば、その分家の娘が五条悟に嫁ぐはずだった。だが、夢主が現れた事で目論みが大きく外れた為、夢主を敵視し大金を積んで伏黒パに依頼していた。それを知った五条がブチ切れ、裏切り者を炙り出す。夢主が静止するも止まらずその分家の家もろとも無下限で押し潰す。 (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年9月20日 17時