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うわ、何この高級店にしかない商品の配置。
部屋に入ってまずそう思った。あの、分かるかな、商品がケースに入れられてて、商品と商品の幅があるのよ。そんで同じ商品が2つ以上ない。なんなの。
何より怖いのが、お値段書いてないのよ。ねぇ五条君、一体いくらなのかな。
あまりにも緊張しすぎて、思わず五条君の手を力を込めて握ってしまった。それに気づいた五条君、私の真っ青な顔を見てお店の人に一言。
「あー…気になるもんがあったら呼ぶ。外で待ってろ」
「かしこまりました」
あっさりと引き下がっていく店員さん。瞬間、少し呼吸ができるようになった気がした。
「先輩、緊張しすぎ」
「…するよ、緊張するよそりゃ。何このお店、初めて来たこんなところ」
「普通の店と変わんねぇよ。見て回って、気になったら買う」
「金持ちの道楽怖いって…」
震えながらも五条君に着いていけば、ようやく、そこに置かれているものが全部和物のアクセサリーだと気づいた。こんなに種類あるんか。
「先輩はどれがいい?」
「どれも良くない…だってお高いんでしょ?」
「そんなに。悩むほどじゃない」
「ここまで信用出来ない言葉無いって…」
「…値段はいいから、いいなって思うもん教えてよ。とりあえず」
困惑しながらも恐る恐る商品を見ていく。あぁでも、流石高級店というかなんというか。美しすぎるって。それ1個で完成されすぎてるのよ。
芸人みたいなツッコミを心の中でしながら、細かな造りに魅了されていく。
ふと、気になったことを聞いてみた。
「五条君。浴衣って、どんな色?」
「…白と水色」
「じゃあそれに合わせたらお祭りの時も付けられ…いやでも人混みの中つけたくないな…」
「つけてよ、俺が見たいんだけど」
「こういう時にそう言われると困っちゃうんだよなぁ〜…」
一応合わせられるように、と自分の中に条件を設定して、似合うものを探す。
白と水色、白と水色ね。
「…ん?その色って…もしかして五条君の色?」
思わず振り向いて確認すると、図星だったのか耳まで赤い五条君。
「……言うなよ…気づいても」
振り絞る声でそう言われたものだから、一瞬で私の緊張は解けた。
「…っあはは!そっか〜!君の色か〜!」
大声出して笑ってしまった。部屋に響く自分の笑い声。高級店でこんなに大笑いするのもどうかとは思うけど、緊張との差も激しくて止められなかった。
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バンジ(プロフ) - 是非お願いします!楽しみにお待ちしております(*^^*) (10月1日 19時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» また、夢主、五条悟の能力以外にも、変更する場合がございます。それでもよろしければ、ぜひ続編を書かせてください🙇 (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» コメントありがとうございます!夢主の反転術式の有無と、五条悟が他人に反転術式を使えない設定を公式そのままにして、考えてくださった展開を続編に使用してもよろしいでしょうか? (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - という感じでどうでしょうか(笑)長文すみませんm(。>__<。)m (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - に行けば、その分家の娘が五条悟に嫁ぐはずだった。だが、夢主が現れた事で目論みが大きく外れた為、夢主を敵視し大金を積んで伏黒パに依頼していた。それを知った五条がブチ切れ、裏切り者を炙り出す。夢主が静止するも止まらずその分家の家もろとも無下限で押し潰す。 (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年9月20日 17時