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ビニール袋を車に敷いて、乗せてもらっちゃった。
「任務帰りで雨が降るって知らなくてね、それでヤケになって歩いて帰ろうと思って」
「こっから高専まで結構距離ありますよ」
「それでも楽しかったからいいかなって。家入ちゃんは何してたの?」
「術師が集団で怪我してたんで、治しに行ってました、その帰り」
「凄いなぁ、お疲れ様」
そうか、普段は怪我人が運ばれてくるけど、人数多いなら家入ちゃんが行った方が早いよね。反転術式って凄い、それがあったら私、神様にでもなった気になりそう。
高専側は家入ちゃんを失わないように細心の注意を払って扱うし、家入ちゃんも自分の希少性は自覚している、と思う。
「五条とはどうなんです?アイツから幸せオーラダダ漏れですけど」
「家入ちゃんもそれ聞くの?仲良いね君たち」
「あは、あんなクズを懐柔した話なら皆気になりますよ」
懐柔かぁ、そう見えるのか。五条君は確かにクズだ。性格は本当に悪いと思うし。けどやっぱ可愛いんだよなぁ。
「仮で付き合ってるって話は聞いた?」
「夏油から何となく」
「じゃあ多分それが全部だよ。普通に、五条君の彼女やってるの今」
「ストレスで死にそうなことやってますね」
「いやー、五条家の子と付き合ってると思うと既に胃に穴があきそうだけどね。だから見ないふり」
苦笑いでそんなことを言えば、家入ちゃんはキョトンとした後「そういうことじゃないんだけど」と笑った。じゃあどういうことなのか、と問うとはぐらかされて話が終わる。
「てか、先輩怪我してるじゃないですか、治します?」
「え、いいの!?見たい!」
「見せものじゃないよ」
「ごめん、反転術式が貴重すぎちゃって。お願いしてもいい?」
おっけー、と軽く返事をして、家入ちゃんは治してくれた。すごく助かる、そういうの。
痛みはすぐに引いて、後は身体を乾かすだけだ。補助監督に猫になってもいいかと許可を得て、術式を発動した。
「へ〜、先輩の猫又ってこんな感じなんだ」
「可愛いでしょ、ごめんね、少し眠いから寝ようかな。いい?」
「いいですよ、でも折角だし、私の膝の上に乗ってくださいよ。撫でさせて」
「女誑しだな、家入ちゃん。いいよ、いくらでも撫でて」
家入ちゃんはビニール袋を自分の膝の上に敷いてから、私を抱きかかえた。家入ちゃんの上は暖かくて、すぐに眠れた。
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バンジ(プロフ) - 是非お願いします!楽しみにお待ちしております(*^^*) (10月1日 19時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» また、夢主、五条悟の能力以外にも、変更する場合がございます。それでもよろしければ、ぜひ続編を書かせてください🙇 (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» コメントありがとうございます!夢主の反転術式の有無と、五条悟が他人に反転術式を使えない設定を公式そのままにして、考えてくださった展開を続編に使用してもよろしいでしょうか? (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - という感じでどうでしょうか(笑)長文すみませんm(。>__<。)m (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - に行けば、その分家の娘が五条悟に嫁ぐはずだった。だが、夢主が現れた事で目論みが大きく外れた為、夢主を敵視し大金を積んで伏黒パに依頼していた。それを知った五条がブチ切れ、裏切り者を炙り出す。夢主が静止するも止まらずその分家の家もろとも無下限で押し潰す。 (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年9月20日 17時