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雨の降るとある日。
五条君とか夏油君とかから見たら「なんでこんな雑魚を」とバカにされるレベルの呪霊を、やっとの思いで祓い終えた。
とは言え雨の中の任務だったからびしょ濡れで、交通機関に頼ろうにも流石に乗れない。
私なんかのために補助監督の人を呼ぶのも申し訳ないし、タクシーはお金がかかるから最終手段。
つまり、雨が止み、私が乾くまで待とう。
猫又の姿になって、近くのバス停、ほらあの、田舎でよく見るような屋根のあるバス停に、少しお世話になることにした。
少し雨漏りしてるけど、猫又なら幅取らないし、ちっちゃいからすぐ乾くし、あー便利便利。
そんなこんなで毛繕いをしながら大粒の雨を眺める。悪くないな、この時間。
そんなことを思っていると、踵あたりに異変を感じて、猫特有の軟らかな身体を利用して覗いて見た。
「んげ、ちょっと血ぃ出てる」
祓っている最中には気づかなかったのに、よく見れば怪我をしていた。とは言っても歩けないほどでは無い、なんなら発見に少し遅れた程度の怪我。
ただ不快なのが、私のこの素敵な毛並みに血が入り交じること。
「…人になって待つか〜」
なんで猫又の姿での血が嫌かって言うと、乾いた時にカピカピになるからだ。しかも臭い。ガチ無理。
人の姿に戻ってから靴下を脱いで、それで血を拭く。痛いしみる最悪。いっそ雨に洗い流してもらう?いやでも雨って汚いって言うしな。
…てか雨止まなくない?
「か〜〜ッ!あほらし!びしょ濡れで帰ろ〜!!!」
雨に唄えばの有名な歌を口ずさみながら、坂道をはしゃいで下る。
そうだよ、私って待つの向いてないじゃん。どうせ濡れてもお風呂入れば良い話でしょ。てかこのまま歩いて帰ろうぜ。やば、何分かかるのかな。
もしかしたら一晩中歩くことになるかもしれない。そしたらビジホに泊まればいい。お金ないから多分歩くけど。
しばらく歩いていれば車道に出た。おっ、勘がいいね私。こっちに行けば街に出れるのか、それなら帰れるかも。
電車には乗れないだろうな、こんだけ濡れてたら。
あしながおじさん辺りが、迎えに来てくれたらいいのに。
そんなことを思いながら、また歩き始めたら、ふと目の前で黒い車が停まった。
え?何、怖いって。一瞬誘拐の類かと思ったけれど、その車には何故か見覚えがある。
車の窓が開いて、中から親愛なる後輩が。
「家入ちゃんじゃ〜ん!」
「ウケる、なんでそんなにびしょ濡れなの?先輩」
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バンジ(プロフ) - 是非お願いします!楽しみにお待ちしております(*^^*) (10月1日 19時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» また、夢主、五条悟の能力以外にも、変更する場合がございます。それでもよろしければ、ぜひ続編を書かせてください🙇 (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - バンジさん» コメントありがとうございます!夢主の反転術式の有無と、五条悟が他人に反転術式を使えない設定を公式そのままにして、考えてくださった展開を続編に使用してもよろしいでしょうか? (9月28日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - という感じでどうでしょうか(笑)長文すみませんm(。>__<。)m (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
バンジ(プロフ) - に行けば、その分家の娘が五条悟に嫁ぐはずだった。だが、夢主が現れた事で目論みが大きく外れた為、夢主を敵視し大金を積んで伏黒パに依頼していた。それを知った五条がブチ切れ、裏切り者を炙り出す。夢主が静止するも止まらずその分家の家もろとも無下限で押し潰す。 (9月24日 23時) (レス) id: 00dbf37f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年9月20日 17時