虹色総合病院小児科病棟

16 ・ ページ16

大貴side

午後になって
採血の準備をして山田と一緒に
Aのいる観察部屋へ。

Aの顔は曇ったけど。

「こっちの腕でいい？」

A「やっ……やらない……(泣)」

そう言って腕を出そうとしない。

涼介「A？抱っこしててあげるから
ちょっと頑張ろう？」

A「ふぇっ…(泣)」

山田が抱っこしてくれて
腕も抑えてくれた。

今のうちに出来るかな。

Aの腕を小さい枕に置いて
低めにゴムを縛って動脈の部分を消毒。

ここまで来るとAも何されるのか
本格的にわかったみたいで
泣き声も大きくなった。

「A、動くの我慢しててね」

ﾁｸｯ

A「ぎゃぁぁ！！痛いーっ！(泣)」

刺した瞬間更に大号泣。

「針抜くよ」

A「ふぇっ…ｸﾞｽｯ...(泣)」

針を抜くとすぐに山田が止血して
くれてガーゼを当ててくれた。

「いっぱい頑張ったね。偉い偉い」

A「んぅ……」

17 喉頭炎→←15 酸素

→ 目次へ｜作品を作る
他の作品を探す