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三百七夜。 ページ8

「強くなりたい、強くなってAを守りたいと切に思ってこの数年間、鍛えてきたつもりです。だから余計にあなたの中のメモリーであるとはいえ、僕を庇って怪我をされるのが嫌だった。だから、距離を取ったんです」



また、アレンの顔が少しだけ悲しみで引きつった。目が潤み、逃亡してからの日々を思い返しているようにも見えた。



それにつられるようにして、私の目頭も少しだけ熱くなる。



「右目の呪い、メモリーの進行、アクマの大量発生、師匠の行方不明、色々な事があってもAが側に居てくれたら、頑張れる気がしました。僕の中でAは、大きな支えになっていたんです」


『そんなの、私も同じだよ。アレンがお疲れ様ですって笑顔で言ってくれたり、同じ部屋になっておはようって挨拶を交わせたりしたことが、どれほど私の心を癒やしてくれてたか』



脳裏に、アレンと出会ってからの日々や教団での生活風景がよぎった。
あぁ…どうしよう、泣かないと決めていたのに…



Aは堪えきれなくなって溢れ出した涙を両手で拭いながら、その場にしゃがみ込んだ。



『…良かったっ。アレンの気持ちが変わってなくて…』



しゃがみ込んで肩を震わせるAを見て、アレンはぎゅっと強くAを抱きしめる。
その大きな手はAの背中をすっぽりと覆い、Aはアレンの優しい匂いに包まれた。



「突然出て行ってしまって、不安にさせましたよね。ごめんなさい。でも、僕も好きな人の涙は見たくありません」



アレンはAの頬に手を添え、優しく顔を上げさせる。そして先ほどと逆、アレンが笑顔で言った。



「僕はAのことが好きだ。ずっと前から、そしてこれからもずっと」


『!』



Aはふにゃ、と心底嬉しそうに笑う。
アレンは思わず、Aを強く抱きしめていた。



「早く気持ちを伝えるべきでした。遅くなってしまってすみません」


『ううん』



即答するAの声はどこか震えていて、アレンをもう失うまいと強く抱きしめた。



『不安だった。ルベリエから聞いたとき、頭が真っ白になったもの。アレンが私を好きか嫌いかなんて二の次で、とにかく無事で居てくれてるのかって…そのことだけをずっと考えてた』



Aは顔をアレンの肩にうずめる。



『だから、もう、どこにも行かないで…っ』

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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月26日 23時

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