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三百三十七夜。 ページ39

ワタシはどこ??ここで時間を無駄にしている場合ではない。早く現実世界に戻って、リンクの加勢をしてアレンを呼び戻さないといけないんだ。



ザッと草を踏む音がしてそちらに顔を向ける。



開口一番に問おうとしていた私の口は、半開きになったまま止まった。



「元気そうだな」



『……何で、ここに』



「さぁ、なんでだと思う」



口角を上げるその顔は見慣れたもので、私の記憶の表情と何ら変わりない。



事件が起こったあの日から、必死に元帥という肩書きを元に心を震い立たせていた。
その発端である人物がいきなり目の前に姿を現したとなると、流石に涙が押し寄せる。



「なんだぁ?泣いてるのか?」



『な、泣いてません!!』



「まだまだお子様だな……っ!?」



力一杯地面にあるものを叩きつける。パァン!!とありえない程の音を立てたそれを、私は笑顔でお返ししますと伝えた。



「危ねぇだろ!!」



『何言ってるんですか、そのくらいの紙ごときで』



「…げっ、これ請求書かよ。あー…懐かしい、うさぎしゃんのお尻亭もあるのか。滅多に出てこないけど、オーナーがこれまた良い女なんだよな」



『勝手にいなくなって、私がどれほどの仕事を押しつけられたと思ってるんですか?挙げ句の果てにこんな大量の請求書まで残して』



「それに関してはすまん。でもこれ持ち歩いてるのは何でだ?」



『教団を出て行ってしまったアレンを探す為にです』



「アレンを?こんなんが役に立ったのか?」



『アレンも私も、嫌でも記憶しちゃうんですよ!貴方の…クロスの弟子になったばっかりに、幼い頃から借金取りに追われる生活してたんですから!』



「物は使いようだな。それに、Aは大分早い段階で借金取りとの関わり方を会得してたじゃねぇか。問題はあのもう一人の馬鹿弟子だ。ここでも泣いてたしな」



あの時、最後の会話をした時のような憂いある表情を浮かべたクロスは、ふっと口角を上げて空を仰いでいる。



酒癖が悪くて女好き、それでも行く当てのなかった私に声を掛け、男手一つで精一杯育ててくれた、恩人である私の師匠が突然目の前に現れたのだ。



『…クロス。ここは、ノアメモリーの記憶の中ですよ。何故ここにいるんです?』



「お、分かってるのか。アレンはわけもわからずポカンとしてたぞ」



『アレンとも…会ったんですか』



嫌な予感がして、私はぎゅっと拳を握りしめ、クロスを見た。

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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月26日 23時

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