三百二十二夜。 ページ23
「…中々、良い腕をしているじゃないか」
「！！こいつ…っ」
脳天をぶち抜かれてもなお、平然と立ち上がるその姿を見て流石の神田も我が目を疑う。同時にやばい奴だと確信したようだった。
「ッんだ、テメェはぁッ！！」
二幻刀を発動させた神田の流れるような攻撃を全てかわしていくこの男。
その表情は全くもって焦りがなく、鋭い目つきで周りの様子までもを把握しようとしている。
壁際に追い詰められていた私は神田の攻撃を避けながらはっきりとこちらを見る男の視線とぶつかった。
『…そうだ…思い出した…！神田っ』
ガキィッ！
私が神田の名を呼んだのと同時、男は神田の刀を素手で受け止めた。
そのまま刀ごと神田の身体を地面に叩きつける。端から見ても男の力が異常だということが分かった。
しかし、呆気に取られている場合ではない。この男の能力を思い出したのだ。
神田の頭に伸びる男の手。こいつは自分に関わった人の記憶を消してしまう！
『その手を離しなさい！！』
「おっと…」
イノセンスに念じ、手に持っていた銃の形状を小刀へと変化させる。そのまま低い体勢で下から回り込むようにして神田の頭を掴んでいた手を斬りつけた。
「酷いことをするね。ワタシの指が飛んでしまったじゃないか」
冷たい声で指の飛んだ右手を見つめる男は、無傷の左手だけで私の攻撃を受け止め、神田の時と同じように身動きができないよう強く小刀を握っていた。
『そうくると思った』
イノセンス！
身体を持っていかれないよう足を踏ん張ると私の呼びかけに呼応した小刀はドロリと溶け、すぐさま銃へと形を変える。
男がそれに気づき避ける前に、左手もろとも弾丸を撃ち込んだ。威力を増した弾丸を身に受けた男は後方に吹っ飛び、壁に身体を打ちつけたようだ。
『神田！大丈夫？意識はある？』
「あぁ…」
『すぐにここから移動しよう。ティム、おいで！』
「君のイノセンスは特殊なようだね」
「おい…っ後ろ」
「勝手なことをされると困るんだよ」
私の背後を見て目を見開く神田。振り向く隙も与えず、男は私の肩に置いた手にぐっと力を込め、そのまま腕をなぎ払った。
悲鳴をあげる間もなく全身がビルの壁に強く叩きつけられる。
視界がチカチカと揺れる中、キンっと頭に響くような音がしたかと思えば神田の断末魔が辺りに響く。
そして、数十秒後に神田の声が消えた。
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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