三百十五夜。 ページ16
『さて…私も戻ろうっと』
リンクともだいぶ打ち解けてきたかな、というところで様々なことが起こった数ヶ月前。
もうあの頃の賑やかさは無い。皆、少しずつバラバラになってきている気がする。
リナリーもラビも、マリやミランダも。今、何をやっているんだろう。
『…少しだけ、寂しいな』
昇ってきた朝日に目を細めながら、私は足早にアレンたちの待つ２０２号室へと急いだ。
・ ・ ・
大好きな人の声。優しい、暖かな手の感触が頭に残っている。
ハッと目を覚ますと、そこは見慣れない天井が広がっていた。隣のベッドに目をやるが誰もいない。
「ここ、は…どこだ…？」
久々、ふかふかのベッドで体を休めた気がする。
腕を上にあげ、屈伸をすると見慣れない腕輪がついていることに気づいた。
これは一体なんだ？こんなもの、いつ…
「！！」
アレンは勢いよく上体を起こし部屋を見渡した。
ジョニーはぐっすり寝ているし、神田もそこにいる。
「…Aは…」
タオルケットを払いのけ、ベッドから降りた音で神田がゆっくりと目を開けた。
その目は寝起きにも関わらず、相変わらずの眼光で。
「…なんだ」
「Aがいません。どこに行ったのか知ってますか？」
「あぁ？」
朝からなんだ、とでも言いたげな神田は僕が寝ていたベッドとその隣のベッドを見る。
数分もしないうちに寝起きの顔は消え、いつもの神経を尖らせているものへと変わった。
「もやしが起きたのはいつだ」
「つい、さっきです。その時にはもう姿がなくて…」
「ちっ…。だが、誰も入って来てはいないはずだ。その為に俺はここで仮眠を取ったんだからな」
神田が仮眠を取っていた場所はドアのすぐ近く。
誰かが入って来たらすぐに反応できるようにと、神田なりの気遣いだったらしい。
「ムカつくが、俺が気付けなかったんなら、あいつ自らで部屋を出て行った可能性が高い」
「じゃあ、僕探してきます」
「いや、もやしはここにいろ。勝手にウロつかれると迷惑なんでな」
「！でもっ」
怖い。Aが居ないことが怖い。
我ながら、弱くなったなと思う。でも、やっと僕はあの優しい光を掴むことができたんだ。
それが、夢だったなんてオチ、絶対に嫌だ。
「俺が行く。黙って寝てろ」
刀に手をかけドアノブを回そうとした神田。
しかし、神田もまだ触れていないはずのドアノブは勝手にくるりと回転した。
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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