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三百二十八夜。 ページ29

路地を抜ける為、大通りに面した道を駆ける。突き当たりの角を曲がろうと視線を横に向けた時だった。



「っ!!」



『リンク!?』



驚きに満ちた表情で私を見るリンク。その足下には先程私が手を下そうとしていたファインダーたちと壊されたゴーレムがあり、リンクの手にはジョニーのふわふわゴーレムがあった。



「無事だったのですね…」



『?それどういう意味?』



「…枢機卿と戦っていたでしょう」



『!何で知って…』



「爆発音が鳴るところへ様子を見に行ったのですよ。あの神田ユウが倒れ、貴方は壁に投げつけられていた。砂埃で姿はよく見えませんでしたが、あの枢機卿が人間ではないことは明らかですね」



以前の関係なら、リンクも参戦し助けに来てくれたのだろう。今の状況では様子を見るまでで留まり、情報を手に入れるだけなのか。



このどうしようもない現実に歯がゆさを感じながら、私はリンクの揶揄に同意する。



「その髪は先の戦いで?」



『ええ、捕まるわけにはいかなかったから」



「貴方はあの枢機卿の事を何か知っているのですか」



『…いいえ、知らない。ただならぬ殺気に怖じ気づきながらも戦っただけよ』



ごめんなさいリンク。信用していないわけではないけど、今の貴方に枢機卿について話すかどうかは少し時間が必要みたい。



「まさか中央庁にあんな化け物が紛れ込んでいたとは思いもしていませんでしたね」



『あいつはアレンを追ってる。だから私は今すぐアレンを探しにいかなきゃいけない』



「…その怪我でですか?」



言われて自分の身体に目を向ける。包帯を取られた時に切られた頭の傷が一つ、壁に投げつけられた際に破片が刺さった細かな傷が無数。



そして、鋭い石の欠片が自分の肩に刺さっていることに今気付いた。



目には見えない傷と言われれば、全身が鈍い痛みで覆われていることくらいだろうか。



『このくらいどうってことない。リンクと任務に行ってた時も、日常茶飯事だったことでしょ?』



「今は状況が違うでしょう。その身体で探索部隊を退けながらウォーカーを探すとなると、すぐに命取りになりますよ」



確かにその通りでもある。でも、歩みを止めるわけにはいかない私に一体どうしろというのだ。



ぐっと唇を噛む私の目の前に来たリンクは、肩に刺さっていた破片を勢いよく抜いた。激痛と共に多量の血が流れ出る。



そしてすぐに何かを形作った右手を私の方に向けた。

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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月26日 23時

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