三百十七夜。 ページ18
目の前にいる私と、アレンが自分自身にも言い聞かせるような口振りでハッキリと言い放った後、アレンはじっと私の目を見ていた。
その言葉を受け止めるのに数秒固まっていた私は、ハッとして我に返る。
『…分かった。その言葉、しかと受け取ったよ。私は暴走になんてならないと思うけど、何が起こるか分からないから…もしもその時が来たとしたら、さっきのアレンの言葉をそのまま伝える』
「互いに互いを、ですね」
『愛する人から止めてもらうのもそれはそれで幸せだもの』
神田に伝えた言葉とは少し違う。自分でも驚くほど心が穏やかだ。こんな言葉を口にしつつ、今の私は良い笑顔だと思う。
アレンも私につられてか、そうですねと柔らかい表情で返事をした。
互いに気持ちを伝えたからなのか。こんなにも心に余裕があるのは久し振りの感覚だ。
おそらくそれはアレンも同じ。目には見えないけれど、強く結ばれたというのがこんなにも心身共に力を与えてくれるとは思ってもいなかった。
「A、準備終わった？」
『うん。ここを出る前に次に向かう場所を決めてから…』
「あ、そのことなんだけど。Aが今持ってる資金は万が一の為に取っておいて欲しいんだ。だから、その資金稼ぎの為に一仕事させてくれない？」
・ ・ ・
「いらっしゃーい。何でも直しますよ〜」
一仕事したいと言ったジョニーは見晴らしの良い道の傍らで修理屋を始めた。
意外にもお客さんは次々とやってくる。明るくお客さんと話すジョニーの隣にふて腐れた顔のアレンが看板を持って座り、そのアレンの隣に私が座った。私の左側にはそっぽ向いたままの神田がいる。
宿から一番最後に出てきた私は、既に準備を進めていたジョニー達の一番端に座ろうとしたのだが、想像以上に神田とアレンが一触即発状態だった為にその間に仲裁役として座ることになったのだ。
『(この険悪っぷり…懐かしいとまで感じる)』
「お嬢さん、修理終わったかな？」
『どちらのお品物でしょう』
「それだよ、君の足下にある…」
「これですね、どうぞ」
「あ、ありがとう…」
私の足下にあった時計を勢いよく掴んだかと思えば、目の笑っていない笑みを浮かべたアレンは男性の手を握って時計を乗せる。男性は冷や汗を垂らしながらそそくさと行ってしまった。
「Aのボディガードばっかやってねぇで、なんか喋れよテメェ」
「じゃあこの手錠はずしてください」
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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