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〜A過去〜
Aの家は代々続く、名高い女の密偵一家だった
日本ではくノ一などが昔からよくある言い方だが、今ではスパイなどの言い方が一般的だろうか。
Aの家の仕事内容は、依頼される度に色々あるが、基本的には人物の居場所を突き止めたり、情報を盗んだりするようなことだった。
Aの母はどんな仕事もなんなくこなす、エリート中のエリートとして常にたくさんの仕事を請けおっていた。
『あそこに依頼すれば、どんなことでも要望に答えてくれるらしい』
いつからか、そんな噂が街を駆け巡っていた。
しかし、その分、一つの依頼にかかる値段は安いとは言えないものだった。
そんな家に一人の娘が産まれた。
それがAだ。
遺伝か何かでこの家にはほとんど女しか生まれない。
だから、女だけの隠密一家として有名だった。
母はAを自分のようなエリートのスパイに育てるために、Aに幼いころから術を教え込んだ。
気配の消し方、記憶力の強化、相手の動きを見極める力、体力作り……
素直に従っていたAはメキメキと力を伸ばしていった。
ある日、Aは窓から外を眺めていた。
その視線の先には、同年代の子と遊ぶ数人の子供たちがいた。
母「…A。何を見ているの。あんな子達と遊ぶ暇なんてないのよ」
そう言ってAの母は、カーテンを強引に閉め、Aの視界を遮った。
貴「あ…」
母「あんな子達と遊ぶ暇があるようなら、力をつけなさい」
貴「…はい」
Aの母は依頼主には綺麗な笑みを見せるものの、我が子のAにはとても厳しい人だった。
「あなたは他の人とは違うのよ」
「お母さんの言うことを聞いていればいいの」
などが口癖だ。
幼いAは母の言うことがすべて正しいんだと、そう信じ込んでいた。
いや、半ば信じ込まされていたのかもしれない。
それでも、母が心の隅では大好きだったAは一生懸命、鍛錬をした。
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✳
Aが鍛錬を終え、家に入ると一人の小太りな男性がいた。
「おや、お嬢さんかな?お母さんに似て可愛い子だね」
母「さぁ、お客様。こちらへどうぞ」
Aの家には男性はめったに来ない。
来たとしても小太りな男性やいかにも成金というような風貌の男たちだ。
そして、そう言う男たちは毎回、母と一緒にある部屋へと入っていくのだ。
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葉桜ノ咲 - シロォォォォォォォォォ!! (2016年9月25日 21時) (レス) id: 8346ebd752 (このIDを非表示/違反報告)
キンプリloveアイカ! - 面白いですね〜! (2015年6月13日 21時) (レス) id: c5d62240b1 (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 黒瀬優希さん» ですよね!もう、ずっと話してても飽きなさそうです!あ、了解しました! (2014年11月2日 16時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優希(プロフ) - アストルさん» わかります!占いツクールの友達がリア友だったらな〜って思うことがよくありますw(落ちます! (2014年11月1日 23時) (レス) id: 4cf6869eaa (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 黒瀬優希さん» 唯一話せる場所ですからね!笑 近くにここで出会ったような方の友達が居たらもっと楽しいだろうけどですねww (2014年11月1日 23時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
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