【HUNTER×HUNTER】ゲーマー女子の恋事情

Save２７ ページ28

外に出るとメガネをかけた男が待っていた



「諸君、タワー脱出おめでとう。４次試験はゼビル島にて行われる」



貴「(ゼビル島かぁ…)」



「では早速だが、」



男がパチンと指を鳴らすと、別の男が箱を持ってきた。



「これから、狩られる者と狩る者を決めるクジを引いてもらう」



試験管のこの言葉に場の空気が少し変わった



「それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう」



一番に合格したヒソカが前に出た



クジ箱の前まで行ったとき、ヒソカはこちらを向いてクイクイと手を動かした



貴「あ…私もか…」



そういえば自分もヒソカと同じく一番だったな、と思い返しながらAもクジ箱の前に進んでいった



ゴン「Aとヒソカ、一番最初に合格したんだね〜」



キルア「すげぇな」



Aは無表情でクジを引いて、定位置に戻ってくるとき、一度だけ辺り全体を見渡した



貴「(なるほどなるほど…)」



そして、その後も次々とクジが引かれ、しばらくして全員がクジを引き終わった



「全員引き終わったね。では、内容の説明をしよう。今、諸君が引いたカードの番号。そのカードに示された番号の受験生がそれぞれの獲物だ」



「奪うのは獲物のナンバープレート」



試験管が試験の内容を詳しく説明していく



受験生たちは説明を聞いて次々に自分のプレートを隠し始めた



皆、自分が獲物だという危機感を感じているのだろう



Aやゴン、キルアは隠さずにそのまま胸元につけているが。



✳ ✳ ✳



説明が終わり、今は船の上で自由時間となった



Aは１人、海を見渡せるデッキに居た



貴「本当に皆、いい人達だなぁ…」



自分の腹部に巻かれた包帯を見てしみじみ思う



初対面で人見知りを発動し、慣れた相手でないとまともに目を見て話せない私に…



クラピカさんは優しく話しかけてくれるし、



レオリオさんは怪我の手当てをしてくれた。



ゴンとキルア同年代で話しやすい。



幼い頃は母から人と接するのを断たれ、今となっては自分から人と接するのを断っていたAにとって、こんなに人と接するのが楽しいなんて思わなかった



貴「…皆と一緒に、過ごせたら…」



楽しいだろうなぁ…



ゴン「あ、A！いたいた！」



Aの空想はゴンの声によって遮られた

Save２８→←Save２６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す