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「そうだなぁ…今は少し厄介な存在かもしれないけど、君がこちら側に居たらと考えるとワクワクするよ。その素晴らしい魔法でどんな悪事を働くことが出来るのか…とかね。
いつか、Aにも課題を与えることができたらいいなぁ」
楽しげなその声はブツブツと独り言を言いながら、フッと姿を消した。
・ ・ ・
「あれ…カルン…?」
意識を失っていたココがゆっくりと目を開ける。
私と目が合うと、ココの瞳の中に安堵の色がともったように見えた。
色々と確認して、謝るココにあなたは悪くないと言葉を掛ける。
キーフリーからの言葉には、目に涙をいっぱい溜めて頷いていた。
キーフリーは心に響くような言葉を掛けてくれる。そんなところも私が好きな一つ。
「先生たちはどうやってあの場所に…?」
「Aの魔法のおかげさ」
はてなマークを浮かべるココに、私はポケットを見てみてと合図を送る。
「何か入って…花びら?」
「私の魔法がかかった花びらよ。それから流れる気配でココ達の居場所を掴んだの」
「やっぱりA先生って凄い…!!」
「そ、そんなにキラキラした目で見られると照れるよ…」
「おぉ、見つかったか。良かったのぉ」
遅れて合流したノルノアさんにキーフリーが何かを話し始める。
その内容を横で聞きながら、私は生きて帰ってこられたことを喜ぶココ達を眺めていた。
「魔警団には今日のことは言わないでください」
「!し、しかし…禁止魔法を見たら通報の義務が…」
「…誰にも言わないで」
聞き慣れないキーフリーの低い声色に思わず視線をそちらに向ける。
キーフリーの表情が普段とは似ても似つかない、鋭い眼光で思わず私も息を飲んだ。
「…全く、何が起きとるやら」
キーフリーはココ達のところへ、普段の柔らかい表情で戻っていく。
「いや、起きるやら…かのう…?なぁ、Aよ。その反応を見る限り、お主もよく知らないようじゃな?」
「はい…少し前からキーフリーの中につばあり帽に対する執着心がある事には気付いていたのですが…」
ココを弟子にすると決めたのは、恐らくつばあり帽と接触した子であると分かったからだ。
いつか、キーフリーから話してくれることを願っているのだけど。
「私じゃ頼りないのでしょうか…」
「そんなことない!!」
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アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
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