【とんがり帽子のアトリエ】風は水に恋をする２

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そう言われて私はノルノアさんを待つことになった。



ココたちを呼びに行った筈のキーフリーは中々戻ってこない。



紙袋を手にやってきたノルノアさんから材料を受け取っている時、やっとキーフリーが戻ってきた。



しかし、何か様子がおかしい。



「A！ココたち、戻ってきてない！？」



「？来てないよ。キーフリーと一緒だったんじゃないの？」



「僕が探しに行った時にはどこにも姿が見えなくて」



「おんや？飽きて散歩でも行ったかの？」



「飽きませんよ！この店以上に楽しいところは他にない！」



「よせやい、照れるわ」



照れているノルノアさんを見つつ、私はふむ…と頭を回転させる。



「仮に飽きたとしても、お礼を言わずにいなくなるような子たちじゃないものね」



「その通りだよ。一体どこに…」



「Aさん」



私たちの会話が聞こえていたのか、タータくんが階段を上ってきて、私の近くで止まる。



「俺たまたま見てたけど、変なカッコの魔法使いを追いかけていったぜ。たしか、目玉みたいな仮面の……」



ドサリ、と先程ノルノアさんから受け取った荷物がテーブルの上へと私の手から落ちる。



嫌な汗がAとキーフリーの背を伝った。



「まさか…」



「いや、まだ決まったわけじゃない。A、この辺りで一番高い建物は？」



「それならこっち。この付近が見渡せる塔があるの」



外に出た私たちは付近を見渡すキーフリーを見守る。程なくして暗い表情のままキーフリーは降りてきた。



「やっぱり居ないみたいだ。どこにも見当たらない」



「認めたくないけど…つばあり帽と接触して姿を眩ませられたって確定だね…」



「！つばあり帽って、まさかあの…？」



「そう、禁止魔法を使う危険な連中だ。タータ、他に何か覚えてないかい？」



「ええと…ごめんなさい、あんまり覚えてないや…」



この場にいる全員が口をつぐむ。一時の沈黙の後、Aがハッとして顔を輝かせた。



「皆、ここは私に任せて」



「A？何か良い案が？」



「あまり使うことがなかったから忘れていたけど、私新しい魔法を習得したの。それと、こんなこともあろうかと事前に魔法をかけてたの忘れてたわ」



私は魔円手帳にある陣を描く。お願い、と祈りながら陣を閉じると一つの方角の道にキラキラしたものが浮かび始めた。

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