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「キーフリー、一緒に先生にならないかって誘ってくれてありがとう」
「……っ。こちらこそっ、だよ。Aにはいつも助けられてばかりだから」
Aは言葉の使い方が上手い。最後にとどめの言葉を投げかけられたおかげで気が動転して、対した返事が出来なかった。
でもAはAで、僕の言葉に満足げに頷いてニコニコと笑っている。
じわりじわりとリピートされるAからの先ほどの嬉しい言葉の数々。
学生時代はAと沢山話したくて、よく僕から話しかけてたから、こうやって敬語じゃなく砕けた感じの言葉をAからいっぱい貰うと少し焦ってしまう。
学生時代は、Aの方が僕の言葉に焦っていたのに、今では僕の方が乱されている気がする。……いや、今のAは昔と比べて表情がとても豊かになったのかな。
「リストに載ってた物なんだけど、どのお店も時期が良かったのか在庫がたくさんあってね、全部買えたよ。まだ何か買う物はある?明日はそれを買いに行こうと思うんだけど」
「全部!それは良かった、今日の買い物は必需品ばかりだったから。明日買う物は一応このメモに。これは予備品だから、買えなくても少しは大丈夫かな」
「……ん、分かった。一通りお店を回るくらいで良いね」
時計を見れば思った以上に時間が進んでいて、明日の為にもそろそろ寝る時間が近づいていた。
互いに持ってきた布という名のタオルケットを羽織り、今日買ったものをひとまとめにして眠りにつく準備を進める。
Aが孔雀緑の魔法服を手入れしている姿を見て、ふとココの事が思い浮かんだ。
「布を買った仕立て屋さんにも綺麗な孔雀緑があってね。そこの店主さんも以前女性の魔法使いが買っていったって話してたんだ。丁度、アガット達くらいの女の子も居てね」
「……アガット達と同じくらいの……?もしかしてその子の名前、ココ?」
「!!そうだよ!よく分かったね。ということはやっぱり、あの子が話していたお姉さんっていうのは君の事だったんだね」
「キーフリー、ココのお店に行ったのね!すごい偶然……!じゃあさっき言ってた良い職人っていうのもココのこと?」
「そう。自分の魔法を見つけて素敵な魔法使いになるために頑張っているみたいだよ?」
みるみるうちにAの表情が明るくなった。
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アストル(プロフ) - 椿原よるさん» 植物たちと会話できるということですね!!その時の状況に応じて自分だけに聞こえるようにしたり全員に聞こえるようにしたり出来るのも良いですね…!前回の嬉しいコメントと今回の案、ありがとうございます、椿原よるさん´`*是非使用させて頂きます! (2018年3月3日 7時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
椿原よる(プロフ) - ぜひ、私からも案を出させてほしいと思い、考えてみました。植物たちの声が風に乗って聞こえてくる…というのは如何でしょうか。(その魔法を発動した人にしか聞こえないというのもいいかと) お役に立てたら、嬉しいです。 (2018年3月2日 22時) (レス) id: 84ddbc797d (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 月夜さん» あぁ…なんて素晴らしい案なのでしょう…!!話の流れに沿わせるために付け加えたりするかもしれませんが、月夜さんの考える魔法を使える場面を思いついたので楽しみにしていてくださいね!本当に案をありがとうございます! (2018年3月2日 20時) (レス) id: 60a9ea40e3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 再度コメント失礼します。魔法の一案として、なのですが…植物と風ということで花弁や葉を使い、つけた人の気配を探ることが出来る能力。 風で飛ばして通信機のようにすることも可能などはいかがでしょう(戦闘っぽくなりますが、迷子防止などに役立ちそうな...) (2018年3月2日 0時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 本当に面白いです!!なかなかこの漫画の夢ないので!更新、頑張ってください!!! (2018年2月25日 16時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
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