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「これからよろしくね。テティア、リチェ、アガット」
自己紹介とはこんな感じで良いのだろうか。恐る恐るキーフリーを見ると、笑顔でこちらを見ているだけだ。少しの静寂の後、私は腰回りに鈍い重さを感じてそちらに目を向けた。
「なんでテティア達の名前知ってるの!?もう覚えてくれたの!?」
「綺麗な人」
興奮気味のテティアとリチェが目を輝かせながら私の腰回りにくっついている。先ほどの衝撃は二人が抱きついてきたからだったようだ。
質問攻めに合いながら一つ一つ何とか答えていると、二人の勢いに一歩引いていたアガットも私の側にやってきた。
「A先生は学生時代から魔法の扱いがとても素晴らしかったんですよね」
「え!?うーん、そうなのかな…」
「キーフリー先生が、A先生はすごい人だって言ってました。そんな人の元で学べるなんて嬉しいです。これから、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げてまた食事へと戻るアガット。
最初はもっと距離を置かれると思っていたのだが、予想以上に距離が縮まるのは早いみたいだ。
それ自体はとても嬉しいことなのだが、問題は三人のこのキラキラとした目。
なんか、とてつもなく期待されている気がする。
「キーフリー…!一体この子達にどんな説明をしたの」
「え〜?ありのままを伝えただけだよ?」
「絶対過大評価してる気がする…」
「Aせんせー!この服、すごく綺麗な色だね」
「あ、ありがとう…テティア」
「先生のありがとうにありがとう!」
「A先生、テティアがうるさかったら放置すれば良いよ。答えなければ黙る」
「ひっどいなぁリチェ。たくさん話すのは良いことだよ!」
「そうだね。Aの事も、皆の事もお互い知らないことだらけだろうから、沢山お話して仲良くなってくれたら僕も嬉しいな。とりあえず、2人は席に戻ろうか」
キーフリーがしっかり先生をやっている…なんだか感動…。
3人がまた食事に戻ったところで、私はキーフリーの隣に立ちその様子を見守る。
「アトリエもこの子達も素敵だけど、服の色も素敵だね」
「あ、気付いてくれた?実はこの色、Aの孔雀緑に影響を受けてるんだ。式典の時に見てから、この綺麗な色が頭から離れなくて…つい近い色を選んじゃったみたいで」
「何ていう色なの?」
「青緑。比べてみないと分からないくらいAの色と似てるんだけどね」
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アストル(プロフ) - 椿原よるさん» 植物たちと会話できるということですね!!その時の状況に応じて自分だけに聞こえるようにしたり全員に聞こえるようにしたり出来るのも良いですね…!前回の嬉しいコメントと今回の案、ありがとうございます、椿原よるさん´`*是非使用させて頂きます! (2018年3月3日 7時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
椿原よる(プロフ) - ぜひ、私からも案を出させてほしいと思い、考えてみました。植物たちの声が風に乗って聞こえてくる…というのは如何でしょうか。(その魔法を発動した人にしか聞こえないというのもいいかと) お役に立てたら、嬉しいです。 (2018年3月2日 22時) (レス) id: 84ddbc797d (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 月夜さん» あぁ…なんて素晴らしい案なのでしょう…!!話の流れに沿わせるために付け加えたりするかもしれませんが、月夜さんの考える魔法を使える場面を思いついたので楽しみにしていてくださいね!本当に案をありがとうございます! (2018年3月2日 20時) (レス) id: 60a9ea40e3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 再度コメント失礼します。魔法の一案として、なのですが…植物と風ということで花弁や葉を使い、つけた人の気配を探ることが出来る能力。 風で飛ばして通信機のようにすることも可能などはいかがでしょう(戦闘っぽくなりますが、迷子防止などに役立ちそうな...) (2018年3月2日 0時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 本当に面白いです!!なかなかこの漫画の夢ないので!更新、頑張ってください!!! (2018年2月25日 16時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
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