36... ページ37
「見張りの眼をしてもらっているけど、オルーギオ自身は魔法器制作とかで忙しいから、あまり会う機会はないんだけどね」
「今もその忙しい最中だがな」
「すごい…なんだか、学生の頃に戻ったみたい」
なんとも言えない感動に言葉を失っていると、キーフリーとオルーギオは顔を見合わせて笑う。
「確かに。本当に近いうちに会えたもんな」
「僕もすごく嬉しいよ。快諾してくれて本当にありがとうA」
好きな人からのお願いなら、聞かないわけがない。
眩しいほどのキーフリーの笑顔に、私は目を逸らしながら、こちらこそと呟いた。
「ん?Aはまだ敬語なんだな」
「あぁ、そうそう。言おうと思ってたんだ。先生同士になることだし敬語じゃなくて良いよって」
「そうだな、弟子達も仲が良いお前らを見て安心するだろうし。まぁ敬語だからって仲が悪いってわけじゃないんだが、見ていて堅苦しさはなくなるな」
「まぁ単にAともっと距離を縮めたいっていう僕の我儘もあるんだけどね。僕がお願いしに行った時も時々敬語が外れてたから、あんな感じで良いんだよ」
「えっ、敬語外れてました?」
「うん、ばっちりと。僕は嬉しかったけどね」
確かにオルーギオの言う通り、生徒側としては教師達の仲が良いのは嬉しいし、安心して勉強に取り組むことができる。
「分かった。敬語はやめるね。私に出来ることは精一杯やっていくから、これからよろしくお願いします」
気を配りながら敬語をやめて話してみると、二人は、おぉ…!と感心している様子だ。
「うん、そっちの方が良いぞ」
「良いね良いね〜新鮮!」
「そ、そう……なら良かった」
「それにしても、ここ数年で随分大人っぽくなったもんだな、A。一瞬誰だか分からなかったぞ」
「嬉しい言葉をありがとう。キーフリーとオルーギオも背が伸びてかっこよくなってるよ」
素直にそう伝えると、オルーギオは、そうか?と目を泳がせながら照れ、キーフリーは後頭部を掻きながらありがとうと少し赤くなりつつ答えた。
「じゃあそろそろ、弟子達がいるところに行こうか。オルーギオ、忙しい時にありがとう」
「あぁ。今回は良かったが、次からは出ないからな」
「用がある時は事前に連絡するね。魔法器制作頑張れ」
バイバイ、と手を振り、また少し歩けばすぐにアトリエへ到着した。
今回は先にキーフリーが入ってくれる。私は少し緊張しながらその後に続いた。
23人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「魔法」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アストル(プロフ) - 椿原よるさん» 植物たちと会話できるということですね!!その時の状況に応じて自分だけに聞こえるようにしたり全員に聞こえるようにしたり出来るのも良いですね…!前回の嬉しいコメントと今回の案、ありがとうございます、椿原よるさん´`*是非使用させて頂きます! (2018年3月3日 7時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
椿原よる(プロフ) - ぜひ、私からも案を出させてほしいと思い、考えてみました。植物たちの声が風に乗って聞こえてくる…というのは如何でしょうか。(その魔法を発動した人にしか聞こえないというのもいいかと) お役に立てたら、嬉しいです。 (2018年3月2日 22時) (レス) id: 84ddbc797d (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 月夜さん» あぁ…なんて素晴らしい案なのでしょう…!!話の流れに沿わせるために付け加えたりするかもしれませんが、月夜さんの考える魔法を使える場面を思いついたので楽しみにしていてくださいね!本当に案をありがとうございます! (2018年3月2日 20時) (レス) id: 60a9ea40e3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 再度コメント失礼します。魔法の一案として、なのですが…植物と風ということで花弁や葉を使い、つけた人の気配を探ることが出来る能力。 風で飛ばして通信機のようにすることも可能などはいかがでしょう(戦闘っぽくなりますが、迷子防止などに役立ちそうな...) (2018年3月2日 0時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 本当に面白いです!!なかなかこの漫画の夢ないので!更新、頑張ってください!!! (2018年2月25日 16時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ