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式典は厳かな雰囲気で滞りなく行われ、お昼時に幕を閉じた。
食事にでかける者、これからの為に魔法道具を買いに行く者、友人たちに感謝の言葉や別れを伝える者など様々だ。
それは私たちも例外ではない。
少し離れたところに座っていたオルーギオと合流し、私たち三人は講堂を出た。
「終わったな。昼ご飯はどうするんだ?」
「皆は食べに出てるみたいだね」
「俺たちも出るか?」
「あのね」
小さく呟いたAの声に二人は会話を止める。
「食べに出るのも良いとは思うんだけれど、その…もしかしたら、暫く会わないかもしれないじゃないですか」
「うんうん」
「最後にといっては何ですが、オルーギオの料理が食べたいです」
改めて言うと何だか恥ずかしい。無意識の内に私の視線は下を向いていた。
キーフリーも賛成だったのか、すぐにニパッと笑顔を浮かべてオルーギオを見る。
「あー…本当に良いのか?最後に俺の作った料理なんかで」
「え〜確認するの?ここは、作ってやる!の言葉を言うべきだよオルーギオ」
「ちょっと静かにしてくれ」
最後までこの二人は仲が良いことだ。そんな光景に私は目を細めながら言った。
「オルーギオの作る料理だから良いんです。是非、お願いします」
・
・
やる気が出たのか、いつも以上に豪華な手料理を作ってくれたオルーギオ。
私とキーフリーはその美味しさに感動しながら口いっぱいに頬張って食べた。
「皿洗いは僕に任せて」
そう言うとキーフリーはサラサラと迷いなく陣を描く。水が皿を飲み込みあっという間に綺麗になった。
「本当に水の扱いが上手ですね、キーフリーは」
「サボるためっていうのもあるだろうがな」
「生活の一部にした方が上達が早いだろうと思ってね。適度にサボることは大事だよ」
キーフリーが洗ってくれた皿を私が元の位置に戻す。
片付けが一段落し、今は飲み物を手に一息ついているところだ。
「さて…これを飲み終わったら各自やるべきことに移らなきゃな」
「Aはこれからどうするんだっけ」
「私は暫く魔法の研究に専念しようと思います。代表作も完成させたいですし、災害などが起こった時に使用する魔法がかけられた武器も気になってますから…」
「やりたいことが多いのは良いことだな」
「オルーギオとキーフリーはどうするんですか?」
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アストル(プロフ) - 椿原よるさん» 植物たちと会話できるということですね!!その時の状況に応じて自分だけに聞こえるようにしたり全員に聞こえるようにしたり出来るのも良いですね…!前回の嬉しいコメントと今回の案、ありがとうございます、椿原よるさん´`*是非使用させて頂きます! (2018年3月3日 7時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
椿原よる(プロフ) - ぜひ、私からも案を出させてほしいと思い、考えてみました。植物たちの声が風に乗って聞こえてくる…というのは如何でしょうか。(その魔法を発動した人にしか聞こえないというのもいいかと) お役に立てたら、嬉しいです。 (2018年3月2日 22時) (レス) id: 84ddbc797d (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 月夜さん» あぁ…なんて素晴らしい案なのでしょう…!!話の流れに沿わせるために付け加えたりするかもしれませんが、月夜さんの考える魔法を使える場面を思いついたので楽しみにしていてくださいね!本当に案をありがとうございます! (2018年3月2日 20時) (レス) id: 60a9ea40e3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 再度コメント失礼します。魔法の一案として、なのですが…植物と風ということで花弁や葉を使い、つけた人の気配を探ることが出来る能力。 風で飛ばして通信機のようにすることも可能などはいかがでしょう(戦闘っぽくなりますが、迷子防止などに役立ちそうな...) (2018年3月2日 0時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 本当に面白いです!!なかなかこの漫画の夢ないので!更新、頑張ってください!!! (2018年2月25日 16時) (レス) id: 016749241a (このIDを非表示/違反報告)
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