ネコ ページ7
触れ合う面積は
手を繋いだり
抱きしめられたりしたときのほうが
断然大きいのに
どうしてこの唇の小さな接触は
こんなにも熱く、胸を焦がすんだろう。
キスなんて初めてじゃないのに
この人との口付けは
今までのどんな人とのキスよりも
私の胸に大波を起こす。
唇を離し
彼がすうっと息を吸い込むその音でさえ
色気を帯びていてドキドキする。
そんな私の隠れた焦燥にも構わず
彼は突然コテンと上半身を倒し
私の膝に頭を乗せて
大きめのソファーにごろんと寝転がった。
「ｼﾞ、ｼﾞｮﾝｳﾝさん…？」
「眠い…」
「え？」
「暖かくて…小腹も満たされて…眠い」
子供なの？！
思わずそう突っ込んでしまいそうになったけど
私のお腹側に顔を向けて
緩く私の腰に抱きつきながら
うとうとと目を閉じる彼に
何も言う気が起こらなくなる。
「Aの傍は…安心するから…」
眠りに片足を引っ掛けているせいで
普段よりも話し方が拙い。
「30分だけ…そしたら…起こして」
それだけ告げると
本当に一瞬で夢の中へ落ちたようで…
睡眠時特有の深い呼吸が聞こえてきた。
「寝ちゃったの…？」
そっと前髪を払って目元を覗くと
弛緩した瞼が、綺麗に閉じられていた。
「これじゃあ…私まで動けないよ」
彼の頭の重みと腰に巻き付く腕が
離さないと言っているようだった。
「もう…猫みたい」
まだ私に慣れていなかった頃は
孤高の狼のように警戒心を迸らせていたのに
今ではすっかり、膝に擦り寄る猫のようだ。
「可愛い寝顔…」
男の人に対して可愛いなんて
子供以外に思ったことなかったのに。
ｼﾞｮﾝｳﾝさん…
あなたは私にとって
特別な存在です。
「おやすみ…ｼﾞｮﾝｳﾅ」
こっそりと小さな嘆きを落として
彼の華奢な肩を撫でた。
私の太ももに埋まる彼の口元が
にわかに微笑んだ気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 497人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sizuki(プロフ) - 本作の01章はフラグ付きです。R指定要素は殆どありません。ご覧になるには本章のURLの末尾の数字を消したアドレスに飛んでください。 (2014年4月11日 17時) (
レス) id: 572f0b9e72 (このIDを非表示/違反報告)
rika.pini.ft(プロフ) - 一章がみれないです´д` ; (2014年3月30日 9時) (レス) id: 917d81374f (このIDを非表示/違反報告)
☆きらりくｎ☆(プロフ) - お気に入り登録をしても、一章がみれません(´；ω；｀) (2013年12月8日 2時) (レス) id: 9616389c90 (このIDを非表示/違反報告)
Heesica(プロフ) - 1章が見れません... (2013年8月25日 4時) (レス) id: b9f1254c78 (このIDを非表示/違反報告)
sizuki(プロフ) - 本作の01章はフラグが立っています。内容にフラグ要素は殆んどありませんが、このページにリンクを貼ることはできないため、お手数ですがsizukiをお気に入り作者登録してもらうか、検索からお探しください。 (2013年3月13日 16時) (レス) id: 7a0cfef64f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sizuki
| 作成日時：2012年11月15日 21時
