魔界最強の俺はどうやら人間界最低ランクの女の使い魔に選ばれたらしい。【男主】 (ページ16)

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14.｢わかり易い｣ページ16

＜Aside>

カノンの手を引き、此処から移動しようとしていた時。

??「待って!!」

カノン「…!!……ユウ？」

どうやらカノンの友達というヤツらしい。

俺は、ソイツを睨みつけるように視線をやる。
ユウと言われたやつは少したじろぎながらもカノンに話しかけた。

ユウ「カノン…その人は………？」

カノン「…私の使い魔よ。」

カノンが何かを諦めたようにユウとやらに言い放つ。

ユウはカノンの態度に不信感を抱いたのか、少し困ったような顔をしたが仕切り直したのか少し微笑みながら言った。

ユウ「良かったね。カノン」

その言葉を聞いたカノンの目から涙がこぼれ落ちた。

カノン「…うん……。」

多くの人から存在を否定され続けたのがよほど堪えたのだろう。1粒落ちたかと思うと次々と2粒3粒と水がカノンの目からこぼれている。

A「……。」

カノンにそっと近づき次々とこぼれてくる水を拭う。

カノンは俺にされるがままだったが、ガタがきたのか俺に倒れるように寄りかかった。
俺がカノンの顔を覗くと、カノンは固く目を閉じていた。

俺はカノンを抱えあげると、ユウとやらの方に顔を向ける。

ユウ「……。」

A「……。」

ユウの顔を見て2・3分経った。
お互い睨み合うように、見つめる。

A「…出しゃばるな……理解などしようと思ったことなんてねぇくせに……。」

そう小言で言うと俺はユウに背を向ける。

きっとユウには聞こえてはいない。

その証拠にユウの顔は微妙な表情をしていて、

ユウ「…え？……。」

と、後から聞こえてきた。