桜色の男の子2

焔 ページ22

いつもの朝


いつもの風景


いつも通り美味しそうな朝餉







『号ちゃん、醤油とって』

福島「塩も取ってくれ」

同田貫「お茶取ってくれ」

日本号「お前らなぁ・・・」




いつも通り、今日も広間は騒がしい



ただひとつ違うとすれば
未だ主ちゃんからの内番発表がないことだ




『ねぇ、今日内番無いのかな』

福島「無い事ないだろうな」

日本号「というか多分広間に来てねぇな」




そう言われてみれば
朝餉が始まってから主ちゃんの姿を見ていない様な気がする






燭台切「どうしたの？」


『主ちゃん見てないなーって』



全員の配膳が終わり戻ってきた燭台切ちゃんが
”あぁ〜！”と声をあげる




燭台切「そういえば朝に険しい顔して
鍛刀部屋に行ってたなぁ」



日本号「じゃあ新しい奴が来るのかもしれねぇな」

『ふ〜ん』




新しい子が来る


嬉しいことだけど
なんだか最近は他人事のように思ってしまう



・・・もしかしたら、と思ってしまうのが原因だろう





日本号「A？」


『なに？』


日本号「いや、」





目玉焼きを箸で半分に割り口に運ぶ




美味しい




目玉焼きが一人二枚なのが
許せない程に美味い




燭台切「あ、噂をすればだね」



『？？』





広間の襖が開き
嬉しそうな顔をした主ちゃんが入ってくる






審神者「みんなー！新しい家族だよー！」



騒がしかった広間がより一層騒がしくなり
短刀ちゃんたちの目がキラキラと輝きはじめる



もしかしたら昔のよしみかもしれないし
兄弟かもしれない



そりゃ楽しみになるさ
















審神者「Aちゃん」



『・・・・・・・ぇ？』





ニッコリ笑う主ちゃんの後ろから現れたのは
真っ白な服に身を包み
燃えるような髪を揺らし


大きな向日葵の様な鮮やかな瞳が
僕を捕らえる








『ぇ、、、、ぇ、え、ッ』





持っていた箸が落ちる

今まで食べていた美味しい目玉焼きの味が
一瞬にして消え、喉がカラカラに乾いていく





開いた口が、塞がらない












「久しぶりだな、A」








震える足を無理矢理動かし走り寄る









何回もこけそうになったけれど







『師範ッ!!!!』







「おっ、と」







美味しい焼き芋、いっぱい食べましょうね






『ホムラ師範〜！！！
うわぁぁぁぁぁぁあん！』




ホムラ「よもや よもやだ」










ね、師範
今度は必ず守るからね

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