桜色の男の子2

♧ ページ17

青江「遅かったじゃないか」

『ちょっと苦戦しちゃった！
でもね、ちゃんと任務完了したよ！』





そう言うと全員の視線が
後ろにいる彼に集まる





「僕は実休光忠

二度も焼けて記憶はだいぶあやしいけれど
それでも、良ければ」






顔に大きな傷跡一つ
燭台切ちゃんや福島兄ちゃんと同じスーツ姿


紛れもなく、”兄弟”だ






『実休光忠ちゃんだよ！
加州ちゃんと安定ちゃんが見つけたんだ


ほら、兄弟だよ！』





グッと二人の腕を引き
実休ちゃんと対面させる




『実休ちゃん、このふたりが兄弟の
燭台切光忠と福島光忠だよ』




実休「・・・やぁ」

福島「なんだか、照れくさいな」

燭台切「久しく会っていなかったからね」





ぎこちなくだが笑顔を浮かべる三人から離れ
長谷部ちゃんの元へ駆け寄る





『遅くなっちゃった』

長谷部「お前は・・・・
夜戦は得意じゃないだろう

もう少し遅れていたら主に報告する所だったぞ」


『ごめんごめん！
でも実はね、僕夜戦得意なんだよ』


長谷部「見栄を張るな、馬鹿」


『み、見栄なんかじゃ』





そう言いかけた時
ギュッと誰かに抱きしめられる





『ぁ、蛍丸ちゃん！』


蛍丸「心配したんだよ」


『え〜！嘘、ごめんね！』




抱きしめ返すと
”もう！”とぷりぷり怒り始める


可愛い
とても可愛い






同田貫「よく粘ったな」

『へへ、もう一戦だけって我儘言っちゃった
帰ったらうんと休まなきゃ』








遠くから光忠兄弟を眺める





(・・・・？)





なんだか、モヤモヤする

とっても嬉しい事のはずなのに





同田貫「どうした？」


『・・ううん、なんでもない！！！』











こうして
長くも短かった連隊戦の幕が降りたのだった

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