桜色の男の子2

♧ ページ16

長谷部「・・・遅い」



第四部隊が出軍してから約一時間

もう交代しても良い頃合いなのに
全くもって帰ってこないAたちに

心配が募っていく



燭台切「大丈夫かな・・・
また大怪我して戻ってきたら、」


福島「遅すぎないか？
何してんだ・・・まさか、倒れたり・・・」




光忠兄弟は”はぁ”と何度もため息をつき
帰還口を何度も見る




同田貫「・・・はぁ、馬鹿馬鹿しい」




そんな二人に向かってそう言うと
”心配して何が悪いんだい”と燭台切の怒った声が響く




同田貫「アイツがそんなすぐやられるタマかよ
稽古だって、経験だって重ねてんだ

何を心配する必要があんだ」




いつも通り
”絶対に帰ってくる”と信じて待つ同田貫の背中は
不思議な安心感をかもしだす




蛍丸「・・・・でも俺、ちょっと心配かも」

日光「意気揚々と出軍したからな
見つけるまで粘ってるんじゃないか？」




二人の一言に
同田貫の額に嫌な汗が流れる



大包平「考えすぎだろう
帰ってこなければそれ程までの奴だったということだ」

鶯丸「俺も、そう思うな」


南泉「お、おい！
物騒な事言うんじゃねぇ、にゃ！！！」

謙信「お、おれは！
かえってきて欲しいぞ！」

鶴丸「ははは！
そんな議論することでも無いだろう！」

物吉「きっと彼にも幸運がありますよ！
大丈夫、絶対帰ってきますって」

歌仙「はぁ・・・
気が気じゃなくなってしまったね」

五虎退「うぅ、早く帰ってきてくださいぃ」

太鼓鐘「それにしても、遅いよなぁ」






騒がしくなる待機所は
最早帰ってくるか否かの問題ではなく

生きているか否かの問題に変わっていく





そんな中




愛染「もしかしてよ
帰還の仕方、知らねぇんじゃねぇか？」





思いもしないその一言に


一同、一気に静まり返る






長谷部「帰還の仕方、誰も教えていないのか？」


誰も答えない状況にため息をつく長谷部




歌仙「だとしても同じ編成組に教えてもらうだろう」


大倶利「はぁ、、、今言ったって仕方ないだろう
一旦主に連絡するべきだ」


鶴丸「成長したな・・・伽羅ぼ、ぃッ！！！」


バシンッと鶴丸の背中を叩く大倶利伽羅の顔は
言わずもがなムッとしている







青江「おや、みんな

噂をすれば帰ってきたみたいだよ」




にっかりのその言葉に
一斉に帰還口に目を向ける




ﾊﾟｱｯと明るく光ったかと思うと




『ただいまー！』




ニコニコと笑う甘露寺Aが
戻ってきたのだった

♧→←♧

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す