嘘と誠 ページ9
鮫島side
やせ細った三日月は
すごく
すごく
邪魔
私の心は動かない
人間なんてどうでもいい
そのはずなのに
いつもあの月は私を見透かしているようで
嫌いだ
お前は勇太が好きなのか?
お前は紫耀が好きなのか?
お前は人間が好きなのか?
あ〜
うるさい
月のクセに
太陽の光がなければ輝くことのできぬ
ただのおっきい宇宙に浮かぶ岩が
お前ごときが
私の気持ちなど分かるわけがなかろう
心を読み取ろうとするな
真実を知らしめるな
人間なんか好きじゃない
『お前に私の気持ちは明かさぬぞ』
月が私の気持ちを分かっていたとしても
心にそれを思っていたとしても
口にしなければ分からぬだろ
三日月に背を向け
横に眠る勇太の髪をそっとなぞった
『お前もただの食料じゃ』
そして
ただの代わりだ
あいつと同じ
旨い血を持つ人間
だから隣にいる
勇太の顔に雨が降った
勇太の顔が濡れている
どんどん濡れていく
神宮寺｢……ぇ、Aさん｣
『なんじゃ』
神宮寺｢顔、グチャグチャっすよ｣
お前は何故、私に優しくする
お前は何故、私を受け入れる
お前は何故、あやつと同じ匂いがする
お前など
お前みたいな
あやつに似たやつは
紫耀に似たやつは
皆
『お前など、大嫌いだ』
神宮寺｢…｣
『人間など、大嫌いだ』
シーツに埋もれたまま
勇太は私の頬をなぞった
その目はなんだ
さっきは
苦しそうに私を見つめていたではないか
その目はなんだ
優しい硝子玉のように光る純白な瞳は
神宮寺｢綺麗だ｣
ドクっ
頬をなぞるその手は熱を帯びていて
私には熱いほど
それなのに
その暖かさに
気が緩んでしまう
気持ちいい
人に触れること
人に触れられることがこんなにも気持ちいとは
知らなかった
『……っ』
神宮寺｢おいで｣
『生意気だ』
私は食料に
私は身代わりに
私は人間に
そっと抱きしめられた
その暖かさは嫌ではなかった
ほんとに生意気だ
勇太も、あの折れてしまいそうな三日月も
『生意気だ』
神宮寺｢わかってまーす｣
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木捺# - 1でお願いします！応援しています♪ (2016年3月28日 17時) (
レス) id: 29ae1850bf (このIDを非表示/違反報告)
leaf(プロフ) - うちも�，任后�！！応援してます！ (2016年3月28日 4時) (レス) id: f40b2d9434 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがーみる(プロフ) - もちろん、�，任垢叩�！！ 頑張ってください！！ (2016年3月27日 11時) (レス) id: 7ca74f863f (このIDを非表示/違反報告)
悠貴(プロフ) - しゅがーみるさん» 投票してみようと思います!!僕自身も、続きやヴァンパイアシリーズを書きたいので!! (2016年3月26日 9時) (レス) id: 6b7554c4f3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがーみる - 続編できますか？ ぜひっお願いします!! (2016年3月9日 7時) (レス) id: fa187801e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠貴
| 作成日時：2015年10月12日 0時
