Jの紅一点になりました

#34 ページ34

鮫島side







ポイッ


そんな音が出そうなぐらい

車から押し出される


先程まで動いてた車が止まり

急停車したと思ったら

今度はこれ…


ありえないでしょ…




女｢そこの入口から入って｣

『えｯ!!』



“じゃ”っと言って

車が発進した




どこ?

後ろを振り返ると

そこには大きな建物


『?アリーナ…』




なんでアリーナ


頭が回らない


それに、

入口がどこなのかわからない




“そこ”って言ってたな〜


取り敢えず

行ってみよう



お洒落な服に女子高生のリュック


似合わないなぁ




『なんでこんな格好してるんだっけ』

?｢あｯ!!鮫島さんですか?｣

『そうです』

?｢こちらにどうぞ｣






この人は

私のこと知ってるの?



『あ、あの…どちら様ですか』

?｢申し訳ない!!私、マネージャーの會川と申します｣



會川さん…

知らないなぁ



會川｢こう見えて、男です｣

『…へｯ………キャー!!』

會川｢さっさっ叫ばないで下さい!!｣





そう言って

私の口をガシッと抑えてきた


いやだいやだ


触られてる

女男に触られてる





會川｢黙ってくれたら離しますから!!｣


なんて言われても

嫌いなものはしょうがない






會川｢大丈夫です!!私、女には興味ありませんから｣

『ピタッ…』



女に興味が無い?

じゃあ、オネエ…?




なら、大丈夫だ


オネエの人はちゃんと理解力あるもん




會川｢…ふぅ。男嫌いって本当なんですね｣

『まぁ、はい』

會川｢これから大変だと思いますが…サポートしますから頑張りましょうね｣


なんて言われて

手をギュッと握ってくる



その行動に少し鳥肌が立ったけれど

オネエとわかった今は

そんなに怖くはない





會川｢行きましょ｣

『はい』






ふと、

気がついたことがある


昨日のこと




昨日は…松田くんと

確実に手を繋いだ


でも、嫌じゃなかったの



これって矛盾してるよね?




きっと

あの場にいた誰から手を握られていても

嫌じゃなかったのかもしれない


その人たちの瞳が

態度が


私を守ってくれているような


そんな

自分勝手な気がしたから

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