Green Bird Ⅱ (ページ7)

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「コーヒー、そっちに持っていくね」

「ありがとう！」

退院した後、内定が決まった。

いろんな手続きをするためにも時間が必要だったから、それを機にコンビニのバイトをやめた。

カフェのバイトは三月の末まで。

入院中は、就職面接で地方へ行く、といってバイトを休ませてもらっていた。

でもきっと、舘様ならお見通しなんだと思う。

敵わない、本当に。

だって、どれだけ練習しても、舘様みたいに上手いコーヒーは作れない。

「ん、美味しい」

それでもAは僕がコーヒーを入れる度にそう言ってくれる。

「 A、大好き」

「えっ、いきなりどうしたの！……私も大好きだよ」

隠し事はこれで最後にするから、本当の好きを伝えさせて。

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久しぶりの、ラウールの家。

いれる度に美味しくなるコーヒーを飲んで、二人で過ごす休日。

ずっと、この幸せが続けばいいのに。

インターホンが鳴って、はーい、とラウールが玄関に向かった時に目に入った。

「なんの紙…？」

棚からはみ出た一枚の紙。

見なかったら、未来はきっと変わってた。

でも、見てしまったんだ。

「なんで… 」

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