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ふっかさんと、さっくんに別れを告げて、ショッピングモールの中を歩く。
「 あ、阿部ちゃんだ 」
Aがまた、知らない人の名前を挙げたかと思えば、僕らの前に映る、スタイルのいい男の人。
「 Aじゃん、どうしたの 」
かっこいい、そして、賢そう。
「 幼馴染みだよ 」
そう紹介してくれるのが嬉しくて。
幼馴染みという、僕とめめだけの特権。
「 久しぶり、阿部くん 」
「 おお、めめ、久しぶり 」
めめと、この人は知り合いなのか。
「 この子、ラウール。大学一年生で今年からこっちに来たの 」
「 はじめまして、ラウールです 」
「 背、高い！スタイル、良い！ 」
「よろしくね」と優しく微笑む彼はきっとモテるだろう。
「 あ、この人は阿部亮平。阿部ちゃんね。 」
「 はじめまして、阿部亮平です。 」
阿部くん、と呼ぶことになったその人は、スタイルが良くてかっこいい。モデルでもしてるのかと思ったら
「 お医者さん？！ 」
都内の有名な病院で医師をしている人だった。
「 珍しいね、休みなんて 」
Aがそういうのは、彼女も看護学校に通っていて境遇が似ているからだろう。
「 ん、Aもちゃんと行きなよ？ 」
阿部くんにそう言われて、「わかってるって」と笑うA。
でも、Aは学校に行くとき、いつも僕と途中まで一緒に行ってるから、心配されるほどじゃないと思う。
成績も優秀だって自分で言ってたし。
「 じゃ、また今度 」
しばらく話したあと、阿部くんは、僕達に手を振って反対側に歩いていった。
「 阿部くん、かっこいいね 」
「 あれで医者だからね、モテるだろうね 」
「 めめ、阿部くんに勉強教えて貰ったら？ 」
「 ラウールうるさい 」(笑
Aの友達にたくさん出会って、
彼女が人を惹き付ける理由がわかった気がする。
そして、僕も、Aのそういう部分に惹かれたんだ。
たくさんの人から笑顔を貰って、幸せに過ごせているなら
愛だとか恋だとか関係なく、ただ僕も彼女を笑顔にさせたい。
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作者名：a.
| 作成日時：2020年2月15日 15時
