25 ページ25
.
「 A！学校から電話！ 」
本を読んでいる時に聞こえた母の声。
平日の午後3時。
でも授業がすべて終わったから、３年生である私達は学校に行かなくても良いはず。
「 えっ、単位は全部とったはずだけどな… 」
夏休みに補習という痛い目を見てから、後半は頑張って成績を取り返した。
何故か、制服を来て、母に促されるまま一人、学校へと猛ダッシュする羽目になった。
普段は使わない自転車を使って。
.
「 なんでしょう…、先生… 」
肩で息をする、とはまさにこの事。
息を切らして、ほかの学年が授業をしているのを横目に担任のいる職員室へと急いだ。
「 あぁ、数学、1点足りてなかったぞ、お前 」
「 は？！」
嘘だ、数学は成績に必要な点数と私がとった点数が全く一緒だったはず。
早見が計算してくれたから間違いはない。
「 ほら、ここ 」
私の学年末テストを先生は見せてくる。
そこには、問6で［ 8 × 6 ＝ 39 ］という計算ミスをしてるのに丸された回答。
というか、この計算ミス、前にもやったな。
「 もう成績打ち終わったから補習はできないけど、代わりにこのプリントやって帰りな 」
補習を受けなくていいのは有難いけど、プリントは嬉しくない。
渋々、先生からプリントと教室の鍵を受け取って、教室に向かった。
「 秒で終わらしてやる… 」
.
と言い早1時間。
しばらく授業が無く、勉強をしていなかった私にとってこのプリントは地獄そのものだった。
窓の外から見える、帰っていく生徒達。
なんで、もっと早く連絡くれなかったんですか、先生。
夕日ももう沈んでる、午後4時半。
冬だから、より一層暗くなるのははやい。
机に突っ伏して、一時中断。
最後の1問、わからない時に限って、
阿部くんが現れないかな、なんて思うの。
「 …阿部くん、こないかなぁ 」
来るわけないな。
夏休みじゃないし、補習とは縁がなさそうだし。
阿「 そんなに、俺に会いたかった？ 」
来るわけない、のに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 738人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
a.(プロフ) - あっぽいさん» お読みいただきありがとうございます。すごく嬉しいです！ (2020年2月24日 5時) (
レス) id: 7eee031c3a (このIDを非表示/違反報告)
あっぽい - コメント失礼します！あべベが可愛いです！最高でしたぁ！ (2020年2月23日 18時) (レス) id: 2e27670cb5 (このIDを非表示/違反報告)
a.(プロフ) - 志帆さん» お読みいただきありがとうございます、書いていて、すごく悩んだんですがやはりそちらの方が正しかったですね、！直しておきます！ありがとうございます！ (2020年2月12日 9時) (レス) id: 7eee031c3a (このIDを非表示/違反報告)
志帆(プロフ) - めっちゃきゅんきゅんしました〜！！！！！ひとつ突っ込んでしまったのはI love youを月が綺麗ですねと訳した夏目漱石は古典の分野ではなく現代文の分野の人だ〜って思ったけどきゅんきゅんには勝てなかった、、今まで読んだあべべの小説の中で1番好きです！！！ (2020年2月12日 1時) (レス) id: 247291dadd (このIDを非表示/違反報告)
a.(プロフ) - どさん» お読みいただきありがとうございます、素敵な褒め言葉とても嬉しいです、ありがとうございます、！ (2020年2月12日 1時) (レス) id: 7eee031c3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：a.
| 作成日時：2020年2月11日 14時
