限界オタクの恋愛事情 (ページ27)

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「 Aちゃん！おはよう！」

「あ、向井くんおはよう」

朝からかなりのテンションで挨拶してくる向井くん。

他の生徒からの視線が集まっていることはよくわかる。

そりゃそうだ。

ダンス部の人気者と日の当たらないぼっちが話しているなんて誰が見ても驚く。

「見て、さっき美術やってん」

「えっ、上手い！」

昼休み、向井くんは美術で描いた絵を見せてくれたり、

「廊下掃除一緒やな」

「わ、ほんとだ」

隣のクラスだから、廊下掃除の場所が被ることだってあった。

「 Aさん、ゴミ集めるね」

「お、舘さん！」

教室の方から出てきた宮舘くん。

向井くんの顔を見るなり、

「あら、ここ二人知り合い？」

私に向かってそう聞いてきた。

「あ、… 」

友達です、って言いたいけど、

恥ずかしいような。

そもそも彼は私のことを友達だと認めてくれているのか？

「トモダチニナッテクレマシタ」

「なんでカタコトなの」(笑

「ほんまや！友達やろ！」

もー！と箒を持ちながら不貞腐れる向井くん。

「 Aちゃんほんまにおもろいねんで！」

な？と向井くんは肩を組んで来るが、

うん、とは流石に言えない。

言えないよ、自分のこと面白いなんて思ってもないし。

「康二、Aさんの事が気になるのはいいけど困らせちゃダメだよ？」

「あっ、舘さん！」

気になるって…！と声を上げる向井くん。

頑張ってね、と宮舘くんは私のことを置いて教室へと戻って行った。

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