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その後、大我の話を聞いた。
高校一年生のとき、とても仲のいい親友がいたらしい。
クラスは違うその親友は、虐められていた。
彼は虐められていることを大我に言えずに、時が過ぎた。
ある日、虐めの主犯グループに呼び出された彼。
その場所は、真冬の海だった。
彼に「入れ」と命令したその男の言う通りに、彼は海に入っていった。
そして、そのまま、彼は亡くなった。
虐めていた人達は大変焦ったそうだ。
俺たちじゃない、自分で入ったと言い聞かせ、
証拠を隠滅しようとした。
大我は親友のクラスメイトの証言から、いじめをしていたやつを突き止め、殴って停学。
今日、殴ったやつも全く同じやつらしい。
「罪を認めない限り、アイツにしたことをお前らにしてやる」と、そう言って。
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亡くなった彼の夢は、歌手だったらしい。
触れたことの無いギターを手にして、彼の代わりに歌った。
彼の夢だったものは、いつしか、大我本人の夢になった。
だから、あの時、何も言えなかったんだろう。
「 俺、どうしたらいいんだろ 」
弱々しく、大我が呟く。
私ができるのはただ、そばに居ることだけ。
大我を抱きしめ、背中を摩った。
「 一から、やり直す？ 」
覚悟は出来ていた。
大我となら、何処へでも行ける。
本気でそう思っていた。
「 遠くに、行ってしまおうか、」
大我がそう言って、涙を流した。
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作者名：a.
| 作成日時：2020年10月17日 22時
