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「 病気で留年したって言ったでしょ、俺 」
「 うん 」
「 あれ、嘘 」
「 …うん 」
「 本当は、人殴って停学くらった 」
「 そっか 」
「 幻滅したでしょ 」
「 しないよ 」
「 嘘つけ 」
「 私の友達に、悪い人はいないから 」
「 俺しか友達いないくせに 」
そう言って、大我は笑った。
「 友達じゃ、なくなってごめん 」
大我はそう言うと、私の唇にキスを落とした。
「 また、友達いなくなっちゃった 」
自嘲的にそう笑う。
「 同じ気持ちってことでいい? 」
「 うん 」
言葉にしなくとも、気持ちは繋がった。
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「 A、これあげる 」
大我が私に渡したのはピアス。
「 私ピアス開けてないよ 」
ほら、と耳を見せてそう言うと、
そっか、と大我。
「 じゃあ開ける? 」
とピアスをつけてほしそうに言うから、
「 良いけど 」
と、そこら辺にあった安全ピンを手に取った。
「 俺怖いから目瞑っとく 」
「 大我が開けるわけじゃないのに 」
ピアスの開け方を知らない割には、上手くできたと思う。
「 いた… 」
左右に空けて、ピアスをつける。
確か、ファーストピアスがいるんだっけ。
でも、大我がくれたのしかないから、ずっとそれを付けることにした。
「 A、血 」
大我は私に近づくと、私の耳元の血を拭いてくれた。
耳にかかる息がこそばゆい。
「 似合ってる 」
ピアスをつけると、大我は満足そうに笑った。
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作者名:a. | 作成日時:2020年10月17日 22時