Third (ページ18)

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センター試験が近づく。

それと同時に、私の成績はまた下がっていく一方だった。

冬になって、雪が振り始めた。

12月の風は頭を覚ますのに丁度いい。

自暴自棄になった時、久しぶりに小説を読んだ。

ずっと好きだった作家のものから、自分のものまで。

ここの言い方が好き、だとか

今だったらこう書くな、とか。

一年ぶりに、原稿を広げた。

それを書く手は止まらない。

夏に少女が一人の少年と出会う。

そこから始まる物語は、頭の中で組み立てられた。

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書く手が止まったのはノンストップで指を動かしてから4時間ほど経った時だった。

ラストシーンだけが、思いつかないまま、この日は眠ることにした。

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次の日からまた勉強する日々。

第一志望の大学は倍率が高く、私の今の成績じゃ届きそうになかった。

でも決めたから、仕方がない。

センター試験当日には、大我が会場まで送ってくれた。

「行ってらっしゃい」

白い雪に映える、白い肌と金髪。

黒いコートが似合う。

試験直前にもそんなことを考えてしまうほど、彼が輝いて見えた。

「はやく行け」

少し乱暴な言葉にも優しさを感じる私は、やはり馬鹿なのかもしれない。

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