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期待が膨らむ中で、ただ一人【ランドルフ・ピックマン】 ページ10

春、一年生の教室。

未だ慣れない高校生活の中、難解になりつつある勉強に焦り、クラスメイトの名前もまだ覚えきれずに距離感を決めあぐねている...そういった新入生特有の緊張感が、まだ教室内に色濃く張り詰めている時期。
だが、今は人一人居ないが...数十分前の一年三組の教室、いや、全ての一年生の教室には、また違った別の空気が流れていた。





◆◆◆


(集中できない...)

表情はそのままに、手に持つペンを強く握りしめる男子生徒。どこか浮き足立つ教室の中で一人、ランドルフ・ピックマンは小さくため息をついた。
別に教師の授業がつまらないというわけではない。年始めの授業はこれからにおいて大切となる基礎をつくるもの、だからこの時期の授業は普段より丁寧に、生徒に興味を持たせるような作りになっている筈だ。
しかし今回の場合は、生徒側に問題があった。


「ねえ、聞いた?...」
「先輩が言ってたんだけどさ...」
「...先生が...」
「えー、それホントなのかな...」
「どーなんだろ...」


コソコソ、ヒソヒソと。まるで羽虫が一斉に飛び回っているかのように、囁き声が教室のあちこちから聞こえてくる。
それらは教壇に立つ教師の耳にも入ってきている筈だが、教師はただ苦笑して生徒らを咎めようもせず授業を続けていた。それが余計癪に触り、崩れなかったランドルフの表情にも陰りが見え始める。
今、この時間が公民だったらどんな良かったことか!一組の担任のあの先生の授業だったならば、こんな雑音に悩まされずにすんだだろうに!...何と言う嘆きも虚しく、授業は淡々と無慈悲に進んでいった。

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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年4月28日 20時

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