【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ49)

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夕陽に囲まれて【土御門榛名・支倉初音】ページ49

生徒会。
窓からは温かな陽光が差し込み、陽光を差し入れに来ているのは夕陽だ。
もう少しで夕陽による陽光の差し入れが無くなるだろう。その前に生徒たちを家に帰さないとな。
私は頭の隅でそう思いながら、黒板の前に立ち、手をパンパン、と叩いた。
一通りの作業を終えた生徒会の部員たち五人の視線が、こちらに一気に集中する。
緊張なんて感情はとうの昔に捨てた。
私は彼らの視線を集めたまま、口を開いた。
　「お疲れ様。では、本日は解散としよう」
今日の日直は四季か。今日の日直は眠たそうに目をこすっている。
私は四季の眠気を吹き飛ばすべく、少し大きな声を出した。
　「四季、号令頼む」
　「はーい…あっ！すみません！えーと起立！」
起立、を掛け声に、部員たちがすくっと席から立ち上がる。
椅子がギッ、と音を立てた。
　「気をつけ―」
四季があくびを噛み殺しながら言う。語尾が伸びてしまっているが、黙っておこう。
　「れ～い」
最後の「礼」を合図に、部員たちからまばらな
「ありがとうございました」
が沸き起こる。
私もその声に合わせ、「有難うございました」、と腰を折る。
礼を終えて私が顔をあげると、もうすでに彼らは放課後に突入していた。
四季が鞄を背負い、同じく鞄を背負いだすスカーレットとなにやら談笑している。
え、なんの話してんの？と言って談笑する転生者と同じ学年であるルナソールが話に入って行く。
ハルトマンは速やかに鞄を背負い、にこやかで神々しい笑みを浮かべたまま、「お疲れ様でした」と私の前で一礼してから部室をさっさと出て行った。
同じく天雅もハルトマンに匹敵する笑みで「失礼します」と、速やかに退室。
　「ああ、気をつけて帰れよ」
私はもう見えなくなっているイエス・キリストの転生者と彼の信者の転生者の背中に手を振った。
まだ話していた四季たちに帰宅することを促すと、彼女たちは話しながら部屋を出た。そのまま帰路につくのだろう。
彼女たちの背中を見送ると、私は電気を消し部室から出た。
☆★☆★
職員室にて。
職員室に戻ると、何人かの先生が自分の机でテストのマル付けを行ったり、プリントを刷ったりと忙しそうにしていた。
用事があった榛名先生を目で探すも、彼女の小さな体と狩衣は見当たらない。
コピー機が紙を嫌いなものを食べた子どものように吐くごとに、インクの匂いが生まれる。