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二十一話 ページ21

キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴る。


つまらないHRが終わった。


あたしは急いで美希の席へ行く。


「ねぇ美希。昨日のことなんだけど……」


あたしがそういいかけると、美希は気まずそうにこちらを見た。


何かを言おうとする。


あたしは美希が声を発する前に、急いで捲し立てた。


「あのさ!美希って眞木が好きなんだよね。あたし、美希は眞木とお似合いだと思う!


 あたし、眞木のこと……好きじゃ、ない、から。」


自分で言ったことなのに、それを聞くのが辛い。


眞木のこと、嫌いじゃない。むしろ、好き。


昨日自覚したばかりなのに、どんどん眞木が好きになっていく自分がいる。


数日前までただのクラスメイトだったのに。


自分がどんどん変わってしまっていくようで、怖い。


あたしがあたしじゃなくなっていくみたい。


そんな違うあたしになっていくのが、本当に怖い。



だから、少し、辛いし、少し、名残惜しいけど、私は、ここで、身を引こう。



それが、きっと美希のためにも、眞木のためにも、最善のてなんじゃないか。


だから、少しキツいけど、


「眞木は美希に譲るわ。アンタが幸せになってよ。」


そこまでいい終えて、初めて美希の顔を見る。









そこにいたのは、今までで一番怖い顔をした美希だった。







「なんで……」


思わず漏れたあたしの声は低く呟いた美希の声にかき消された。


「バカじゃないの。」


美希の口からでた思いもよらない言葉に、一瞬にして怒りが沸点に到達する。


「なにが?!どこが?!あたしの言葉のどこが気に入らなかった?!


 アイツはアンタに譲るっていってんじゃん。それのどこが最低なんだよ。」


訳が分からない。


あたしが、あたしがせっかく美希を応援するっていってるんだよ?!


それのどこがいけないんだよ。


あたしはそこまで一気に捲し立てる。


すると今まで黙っていた美希が突然声を荒げて話し始めた。


「人の気持ちを捏造しないで!そうでなくてもアンタから譲られるなんてまっぴらだわ。


 大翔は誰のものでもないじゃない。


 いつからアンタ他人にオトコ譲れる程大層なご身分になったわけ?!


 ウチは人の気持ちを踏みにじるアンタがバカっていってんの!」


それだけいい残すと、美希は去って行った。



そこには呆然と立ち尽くすあたしがいた。

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マスカット(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» すみません、レスにし忘れました…… (2018年4月5日 18時) (レス) id: 42164fbd9c (このIDを非表示/違反報告)
マスカット(プロフ) - 嬉しいです!ありがとうございます!(´∀`*) (2018年4月5日 18時) (レス) id: 42164fbd9c (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き楽しみに待ってます、頑張って下さい! (2018年4月5日 14時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
マスカット(プロフ) - 緩芳さん» ありがとうございます!がんばります! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 42164fbd9c (このIDを非表示/違反報告)
緩芳 - とてもお面白かったです!これからも頑張って下さい♪ (2018年4月3日 9時) (レス) id: c0887ec13b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マスカット | 作成日時:2017年2月4日 22時

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