可愛くなってやる。【名前変換オリジナル】 (ページ18)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:44,851 hit

十八話ページ18

千佳side

美希ってこんなに怖かったっけ……？

いや美希が怖いのはいつものことなんだけど。

いつもの美希のあたしへのディスりは自分が楽しむため。

そのためにあり得ないほど楽しそうにディスる。

あたしは１度だって笑った顔以外の美希にディスられたことはなかった。

でも、今日の美希は違う。

明らかに傷ついた顔をしていた。

真顔でモテるから泣いても知らないと言い放ち、そのあと泣きそうな顔になった。

あんな美希は初めて見た。

初めて、ほんとの美希を見た気がした。

こんなに親友やっているのに、初めて。

思わず今までが仮面だったと考えてしまうほど、あたしが知ってる美希とは違った。

それに気付いた時には、もう、どうしようもなく辛くて、どうしようもなく泣きそうで、

あたしはそこから逃げ出した。

美希とわかれたところから、あたしはずっと走った。

バスケで鍛えた脚力を生かして無心で走り続けた。

幸か不幸か信号が１度も赤にならなかったから、

あたしは実に家まで1km近い距離を全力疾走してきたことになる。

さすがに疲れた。

少し休もう。

そう思いベットに横になる。

あたしはいつのまにか寝てしまった。

チュンチュン

雀の鳴き声が聞こえる。

部屋の窓から暖かい春の陽が差し込む。

いつもはお母さんに叩き起こされるのに今日は自分で起きれた。

いやー本当に気持ちのいい朝だ。朝だ。朝だ？！

朝だーーーーーー！！！

待て待て待て待て待て。

昨日夕御飯食べてないから超腹へったー！

ごはん食べたい……。

てかなんでお母さん昨日のうちに起こしてくれなかった？

お陰で腹がへって仕方がないんだよ……。

急いでお母さんのところへ聞きにいく。

「お母さん、なんで昨日起こしてくれなかったの？」

すると、何故か機嫌のいいお母さんが答える。

「あら～。千佳、起きたのね。だってあんなに気持ち良さげに寝てたら

　起こせないじゃない。しかもケーキみっちゃんと山分けできたし～。

　あぁ、これは内緒だったわぁ！」

なんつうひどい母親だよ？！みっちゃんもみっちゃんだよ！とっといてくれよ。

ちなみにみっちゃんはあたしの妹。本名月野光希。

あたしに似ず可愛くて女子っぽい。当然モテるし、彼氏もいる。中１の癖に生意気な。

「そういえば、学校は？」

　
そう、お母さんが聞く。

が、学校！忘れてた……。