可愛くなってやる。【名前変換オリジナル】 (ページ15)

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十五話ページ15

んー時間的にそろそろ数学が終わるかな。

さすがに教室もどるか。

「先生！もう元気になりました！ありがとうございました！」

そういうとあたしは保健室をあとにした。

「ただいま～。」

そういってあたしは教室に入る。

「あ、千佳。人を心配させるようなことしないでよね。」

いや珍しいわ。美希が人の心配をするとか。

「大丈夫？辛かったら私を頼ってくれていいからね！」

やっぱ陽菜は優しいな。

「おー千佳。ごめんな。俺お前なら何言っても大丈夫かと……」

「ん。もういいよ。ちょっと傷ついたけど、もう気にしてないってば。」

　
あたしは笑いながら答える。

まだ、あんまり立ち直れてないけど、心配させてはいけない。

「あっそうか？よかった。もう絶交かと。まあ次から気をつけるわ。」

やっぱ優しいや。多分あたしのこと気遣ってくれてるんだろう。

キーンコーンカーンコーン

「ああ、ほらほら。授業始まるよ。席つけ席。」

あたしはそういって席につく。

それを見て口をあんぐり開けている二人の存在にあたしは気付かなかった。

美希side

おかしい。ウチの親友がなんかおかしい。

今日大翔にからかわれたあたりからなんか変だ。

ほんとあの子らしくないわ。

いつもみたいに言い返さないし、なんか傷ついたようだったし、

席つけとか真面目なこといっちゃうし、言葉遣いが少しましになったし。

奴をこんなに変えたのは何？

……まさか、千佳のことが好きな人の存在を教えたから？

そんな、まさか千佳が気づいたの？

あの鈍感な千佳が大翔の気持ちに気づいた？

今まで大翔からのあからさまな好意に気が付かなかった千佳が？

そう。ウチがいっていた千佳のことが好きな人とは、大翔。

去年、大翔に相談された。

「俺月野のこと好きっぽい。どうすればいいんだろう？」

って。なんだよヘタレかよ。

少し苛立ったウチは突き放すように答える。

「そんなの知らないわよ。」

ほんと人の気も知らないで。ふざけんじゃないわよ。

ほんとやめてよ大翔。このままだとウチ、千佳のこと嫌いになりそうだよ。

「自分でなんとかしなさいよ。」

ウチはそう吐き捨て大翔の家を後にした。