路地裏系出会い(2)【福沢諭吉】 ページ33
なんだかんだ言って福沢さんと約束した日が来た。
楽しみにしていたなんて私は認めない。
会いたいとか思ってたけど。
待ち合わせ時間より15分ほど前なのに、福沢さんは腕を組んで立っていた。
私が来ていることに気づくとペコッとお辞儀をした。
貴「すいません、待ちましたか…?」
福「待ってなどいない。私も今来たところだ」
見た感じ結構待ってましたよね…?
嬉しくて言いたかったけど結局言わなかった。
その代わりに福沢さんを私の友達達(猫)の元に案内する。
なーなーみゃおみゃお。
そこら辺に猫の鳴き声が響く。
トラ猫や三毛猫などが私の足に絡みついてくる。
貴「ほら、福沢さ_________」
振り返った私は福沢さんから哀愁が漂うのを見てしまった。
なぜだ。猫達よ。
福沢さんが突っ立っている所には猫が1匹もいない。
私と福沢さんは1mも離れていないというのに。
切ないというか、いたたまれないというか…
取り敢えず足元にいたミケを抱きかかえて福沢さんの所に持っていく。
ミケちゃんは人懐っこいから大丈夫なはず…
福「触れるのか…?」
そろりと福沢さんが手を伸ばし、そっとミケの頭に手を置いてゆっくり撫でた。
福「………」
その時私は福沢さんが微笑むのを見てしまった。
貴「あ、福沢さんが笑った」
その発言には照れも混じっていたのだろう。
福「A」
唐突に名前を呼ばれたかと思うと猫の頭にあった福沢さんの手が私の頭に置かれる。
すっと髪の毛を撫でられた。
福「恩にきる」
ミケがトンッと私の腕から飛び降りた。
そのままゆっくり抱き寄せられて腰に手を回される。
この展開は一体…
福「Aは私のことをよく知らないかもしれない。しかし、気持ち悪いかもしれないが私はずっとAを見ていた」
貴「……知ってます。福沢さん、先週うっかり言っちゃってますよ」
福「…猫に触れたいというのは二の次だ。本当はAに触れたかった」
貴「それは知りませんでした。でも嬉しい、です」
福「…そうか」
優しく目を細めると福沢さんは私の体を更に引き寄せた。
そして優しく唇を重ねられる。
私はすでに福沢さんのことが好きだったのだろう。
やがて唇が離れると福沢さんは言った。
福「また会ってくれるか?」
不安そうに見てくる福沢さんが面白可愛かったので私は思わず笑ってしまう。
貴「勿論です」
猫に感謝ですね。
☆★☆★
遅れてすいませんでした
そろそろこの作品も続編出そうとか考えてます…
ちょっとした悪戯心です【ドストエフスキー】→←路地裏系出会い【福沢諭吉】
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(=^・^=) - 今、芥川役で『龍ちゃん大好き』になってるトコなんですよ…。 (2020年12月3日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィオラ - しぐれったさん» ???「24歳!学生です!!」 (2020年5月12日 14時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - みうさん» そそそそそそそそんな意図なかったですよ。べ、別に書いてる時に先輩感出たけど誰も気づかないかって投稿とかしたりしてませんよ……わ、私は淑女ですから。 感想ありがとうございます!緩い気持ちで読んでってください (2019年7月27日 0時) (レス) id: cac4953071 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 野獣と化したってwwww野獣先輩じゃんww このお話とても面白いです!!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - 実胡斗さん» リクエストありがとうございます。そしてお返事遅れてしまいすみません。リクエストですが、続編の方に書かせて頂きましたm(_ _)m (2019年7月7日 14時) (レス) id: c7820e4193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぐれった | 作成日時:2016年6月7日 0時