殺人探偵の憂鬱(2)【綾辻行人】 ページ28
綾「A、君は俺に好意を持っているのか?」
…ぶふぉ。
盛大にコーヒーを吹いた。さっと先生がタオルを差し出す。こうなることを予見していたのだろう。
貴「愚問ですね。仕事に感情なんて必要ありませんよ?」
コーヒーが流れてヒリヒリする鼻を押さえながら言う。
綾「本当にそうなのか。それでは今週末に辻村君と2人で食事にでも行くとするか」
…反射的に体が動いた。綾辻先生の服の裾を掴んでしまった。
貴「それ、は…やめて…くださぃ」
綾「ほう…どうしてだ?」
私は無言で服を握る力を強くする。…素直になりたい。けど、なれない。
綾「もう一度聞く。君は私に好意を抱いているか?」
その冷たい目は逃げる隙を与えてくれなかった。開き直るしかない。
貴「好きですよ。えぇ好きですよ!!」
その時______向かい側に座っていた先生が身を乗り出した。
ぼけーっとしている私の顎を優しく持ち上げて唇を重ねられる。
綾「素直になれた褒美だ」
耳元で囁き、先生は元いた席に座る。
貴「え、これはどういう…」
綾「それくらい自分で考えろ」
コーヒー美味かったと言ったっきり先生は本から目を上げてくれなかった。
感情が表に出ない先生は何を考えているのか分からない。
さっきだって遊ばれただけかもしれない。
でも…キスなんかされたら期待しちゃうじゃないですか。
私はそっと先生を睨んだ。
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(=^・^=) - 今、芥川役で『龍ちゃん大好き』になってるトコなんですよ…。 (2020年12月3日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィオラ - しぐれったさん» ???「24歳!学生です!!」 (2020年5月12日 14時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - みうさん» そそそそそそそそんな意図なかったですよ。べ、別に書いてる時に先輩感出たけど誰も気づかないかって投稿とかしたりしてませんよ……わ、私は淑女ですから。 感想ありがとうございます!緩い気持ちで読んでってください (2019年7月27日 0時) (レス) id: cac4953071 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 野獣と化したってwwww野獣先輩じゃんww このお話とても面白いです!!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - 実胡斗さん» リクエストありがとうございます。そしてお返事遅れてしまいすみません。リクエストですが、続編の方に書かせて頂きましたm(_ _)m (2019年7月7日 14時) (レス) id: c7820e4193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぐれった | 作成日時:2016年6月7日 0時