文豪達の理性崩壊注意報

殺人探偵の憂鬱【綾辻行人】 ページ27

今朝方から先生はいつも以上に冷気を纏っていた。つまり、機嫌が悪かった

エージェントである辻村ちゃんがインフルエンザにかかって倒れていて私が代理だからかな…

考えないようにしていたことをどうしても考えてしまう。

辻村ちゃんがちょっと羨ましい…なんて、ね。

くだらない事実から目を逸らして報告書を書く。仮にも殺人探偵のエージェントを任されている。
しっかりしなければ。

静寂が辺りを支配する。


綾「おい」

急に声が通った。透き通るような、刺し通すような…

恐る恐る先生を見る。

綾「朝からだんまり比べか。何か喋ったらどうだ」

貴「何か喋ったところで先生にとってはもう知っている情報なので」

綾「確かにそうだ」

先生の口から冷気が漏れる。彼の口角が少し持ち上げられる。

綾「ならば、俺の質問に答えるというのはどうだ？」

貴「…まぁいいですよ」

綾「コーヒーを淹れてくれないか？茶でも飲みながら話さないか」

貴「私は貴方のメイドではないのですけど…」


それでも淹れる私はもう立派なメイドかもしれない。…制服あるらしいし。


戸棚の中にあった茶菓子とコーヒーをテーブルに置く。

先生がコーヒーを啜った。

綾「ふん…悪くない」

貴「もっとマシな褒め方はないんですか」

キロリと睨まれた。

綾「それより質問だ」

貴「出来る限りお答えします」

カッコをつけてコーヒーカップに口をつける。


☆★☆★

字数の問題で切らせていただきます。

先日(今日)やっと綾辻行人vs京極夏彦を読んだんですけど…最高ですね

作者の文字数収まらない病に巻き込んでしまってすいません。m(_ _)m

殺人探偵の憂鬱(2)【綾辻行人】→←心配性な羅生門【芥川龍之介】

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