鈍感な君に【織田作之助】 ページ23
いつもの食堂で私と織田作は早めの夕食を取っていた。
二階からドスドスと子供達の暴れる音がする。
元気だねー。
その間にも、もくもくとスプーンを動かしカレーを食べ続ける織田作。
貴「そのカレー、すごく辛いって太宰さんが言ってた」
作「…そうか？普通に美味しいと思うのだが」
貴「織田作の普通ってどれくらいの辛さなんだろう」
作「じゃあ一口食べてみるか？」
私の口元にカレーをすくったスプーンが差し出される。
本当に…なんでこんなに鈍感なんだろう。
普通、異性である私に間接キッスを勧めるかな。
作「…？食べないのか？」
貴「…っ！食べる」
少し躊躇いながらもパクリと食べた
って…辛っ！辛い！水！
貴「…おだ、さく…み、ず」
織田作はむせる私に静かに水の入ったコップを差し出す。
私はその水を一気に飲み干す。
口の中がヒリヒリする。
貴「織田作ってこんなに辛いのをほぼ毎日食べてるんだね」
正直、カレーの世界をなめていた。
織田作side
いまだ口の中がヒリヒリすると訴えるAと一緒に食堂を出る。
私の隣で小さく息をつくAが可愛い。
それにしても…いつになったらAは気付いてくれるのだろうか。
もしかしたらAは天性の鈍感なのかもしれない。
___このままずっとこの想いを背負い続けるくらいなら。
気がついたら私は抑えるのを忘れて動いていた。
Aの細い体を抱きしめて、驚くその唇に自らの口を重ねていた。
別段、人も車も通っていない。
貴「ん…！？」
少しだけならいいじゃないか。
仕方がない、私も我慢は苦手なんだ。
次第に赤くなっていくAが愛おしい。
貴「…ぷはっ…はぁ…織田作？」
作「すまない…今の事は忘れてくれ」
俯いたAと私の間に長い沈黙が流れる。
貴「なんで忘れる必要があるの？私ずっと織田作の事が好きなのにどうして気付いてくれないの？」
私のコートの裾をAがぎゅっと引っ張る。
…ちょっと待て。どさくさに紛れて私の事を好きとか言わなかったか？
貴「気付いてない癖に急にキスしてくるとか…勘違いしちゃうじゃない。もしかしたらって思って期
待してしまうよ」
嗚呼、そうなんだ。
…私も気付いていなかったのか。
私はAをさっきよりもしっかりと抱きしめる。
作「その勘違いが正解なんだが…」
言えなかった事を今言おう。
作「…ずっと好きだった」
いつの間に昇ったのか、月が私達の影を作っていた。
☆ ★
みことさんからのリクです！
何してんだ【中原中也】→←君の所有権を持っているのは【森鴎外】
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(=^・^=) - 今、芥川役で『龍ちゃん大好き』になってるトコなんですよ…。 (2020年12月3日 14時) (
レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィオラ - しぐれったさん» ？？？「２４歳！学生です！！」 (2020年5月12日 14時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - みうさん» そそそそそそそそんな意図なかったですよ。べ、別に書いてる時に先輩感出たけど誰も気づかないかって投稿とかしたりしてませんよ……わ、私は淑女ですから。 感想ありがとうございます！緩い気持ちで読んでってください (2019年7月27日 0時) (レス) id: cac4953071 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 野獣と化したってwwww野獣先輩じゃんww このお話とても面白いです!!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - 実胡斗さん» リクエストありがとうございます。そしてお返事遅れてしまいすみません。リクエストですが、続編の方に書かせて頂きましたm(_ _)m (2019年7月7日 14時) (レス) id: c7820e4193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぐれった | 作成日時：2016年6月7日 0時
