君の所有権を持っているのは【森鴎外】 ページ22
テーブルの上で腕を組んでボスは静かに私に尋ねた。
鴎「今回の単独行動について君は反省をしているかい?」
貴「…はい」
珍しくボスがご立腹だ。
敵マフィアを一人で潰しに行ったら死にかけて、中也に助けられたんだけど…
彼奴ボスに報告しやがったな、
鴎「君はマフィアの中で幹部補佐を務めている、その責任を分かっているかね?」
貴「分かっていた、つもりでした」
鴎「では君は単独で敵組織の大勢と戦う危険性を理解している?」
貴「いけると思ったんです」
鴎「…ほう、その自信はどこから?」
貴「ボスや組織に迷惑をかけたくなかったんで」
ボスはしばらく黙りこくった後、座っていた椅子から立ち上がる。
コツ、コツ、という足音が部屋の中に反響する。
鴎「じゃあ、話を変えよう。君を貧民街からこのポートマフィアに連れてきた人は誰だろうね」
貴「…ボスです」
鴎「つまり君は、私のお陰でこの組織にいるわけだ。それなら_____」
刹那、
いつの間に取り出したのかメスを持って、鴎外さんは小さく踏み込んで私の首筋を…
貴「…っ!?」
慌てて体を後ろに退く。
だけど完全に避けられなかったようで、シュッと首筋に熱い痛みが走る。
…あともう少し反応が遅れていたら動脈が切れてしまっていたかもしれない。
まだ状況の判断が追いつかない私の腰に手を回しボスは抱き寄せる。
鴎「それなら、君の所有権は全て私が持っていることになる」
そして私の首元に顔を埋めて、さっき切ったばかりの傷口に唇を寄せる。
貴「ボ…ス…っや、め…」
流れ出た私の血をしっかりと舐めとって、なおも傷口から私の血を吸おうとする。
しばらく経って、やっとボスが顔を上げた。
鴎「君の体の全て、血の一滴に至るまで君は私のものだ」
そして今度は首筋ではなく、私の口に唇を重ねてキスをする。
優しくて、長い、大人のキスだった。
鴎「君が私以外の誰かに殺されるなんていう事は私が許さない
…君を殺していいのは私だけなんだよ」
お互いの口が離れた後にボスはそう言って笑った。
☆ ★ ☆ ★
山脈さんからのリクです!
ヤンデレ下書きで書いてみたんですが、作者もドン引きの短編になったんで抑えてみました。
だけど、これってヤンデレになるのかな((
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(=^・^=) - 今、芥川役で『龍ちゃん大好き』になってるトコなんですよ…。 (2020年12月3日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィオラ - しぐれったさん» ???「24歳!学生です!!」 (2020年5月12日 14時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - みうさん» そそそそそそそそんな意図なかったですよ。べ、別に書いてる時に先輩感出たけど誰も気づかないかって投稿とかしたりしてませんよ……わ、私は淑女ですから。 感想ありがとうございます!緩い気持ちで読んでってください (2019年7月27日 0時) (レス) id: cac4953071 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 野獣と化したってwwww野獣先輩じゃんww このお話とても面白いです!!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
しぐれった(プロフ) - 実胡斗さん» リクエストありがとうございます。そしてお返事遅れてしまいすみません。リクエストですが、続編の方に書かせて頂きましたm(_ _)m (2019年7月7日 14時) (レス) id: c7820e4193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぐれった | 作成日時:2016年6月7日 0時