其ノ参拾九 ページ40
．
「お前ェに惚れてる」
＿＿＿＿＿＿＿此れは、夢か？
現実逃避し過ぎて夢ン中入っちまったか、アタシ。
さっきのはアタシの勘違い？紅丸がアタシを好き？
こんな都合の良い展開ってあるか？
頭の整理が追い付かない。
しかし、そんな思考と相反して身体は正直で、再び涙が零れ落ちた。
頬を伝う雫を、紅丸がそっと拭ってくれた。
「おい、何で又泣く」
『ッ...此れは、嬉しくてッ...』
夢か現実か＿＿＿＿＿＿そんな事、もう如何だって良いじゃないか。
目の前にある幸せを、噛み締めたって良いじゃないか。
途切れ途切れに言葉を
そんなアタシを抱き締めて、紅丸は頭を撫でてくれた。
『アタシ、紅丸が好きッ...大好き、』
「気付くのが
『...でも、本当にアタシで良いのか？』
「お前ェが良い」
『アタシ、紅丸が女の人と歩いてただけで嫌だって思ったんだぞ？
心狭過ぎる。それに美人でもないし自分勝手だし、其れに「おい」
言葉を遮りながら、紅丸はアタシの顎に手を遣りクイッと持ち上げる。
自然と二人の視線が絡まった。
少し背伸びをすれば、唇が触れそうである。
「てめェは俺が惚れた女にケチ付け様ってのか」
紅丸は口角を上げ、フッと笑みを
「＿＿＿＿＿＿こんな良い女、他に居ねェよ」
浅草一の色男に、惚れた相手に、
そんな殺し文句を言われてしまえば、身体の熱は上がるばかりである。
『...あ、アタシは紅丸が思ってる程良い女じゃ「
必死の照れ隠しも、奴の前では無意味で。
「黙って俺に愛されてろ」
紅丸がそっと瞼を伏せた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿あ、睫毛長...
其の行為にうっとりと酔いしれていれば、あっという間に舌を絡めとられて口内を犯 される。
顎に添えられていた右手は後頭部へ廻され、左手は腰へと移動していた。
空気を掴んでいた両手で奴の
昨晩と同様、アタシが酸欠になる寸前まで、紅丸は離してはくれなかった。
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陸玖(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます！（泣） 駄文ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 1f019e150b (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 小説書くのがお上手なんですね!!これからも楽しみにしてます！夢主ちゃんが可愛いです… (2021年1月3日 21時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陸玖 | 作成日時：2020年12月11日 2時
